
〜ライブレポート〜
<ゴスペラーズ坂ツアー2005“G10”> 2005年03月17日 紀南文化会館
開演前、場内に注意事項が放送された後にゴスペラーズの曲がインストゥールメンタルで
流れます。
ちょっぴり行進曲風。
曲目は…
ミモザ―BOO―カレンダー―侍ゴスペラーズ―星屑の街―ひとり―永遠に―
―新大阪―誓い―Winter Cheers!―街角
自然発生的に拍手が巻き起こり、暗いステージ上に一筋の光が。
「何か求めて〜♪」
マイクを握った黒沢さんが照らし出されます。
さあ、ゴスペラーズの登場です。
♪終わらない世界
今回はダイナミックなダンス付き。
「Fly to sky」がかなり多いバージョンに仕上がっていました。
安岡「はじめて田辺にやってきました!」
この言葉に一同歓声。
♪砂時計
一転、大人のダンスチューンに突入。
相変わらず人気のある曲で、イントロが流れると拍手が起きました。
最後の黒沢さんの声の伸びが最高。
しかし、歌い継いだ出だし等で声が出ない(マイクに入らない?)ハプニングが
随所で垣間見られました。大丈夫だったのでしょうか。ちょっと心配。
この後、黒沢さんは度々マイク調節をしているようでした。
♪Get me on
普段よりは若干大人しいけれどノッている観客。
酒井さんのヒューマン・ビート・ボックスに歓声が上がります。
「Baby get me on♪」
直後、酒井さんは「Gospellers Come On!」と叫びます。
何だろうと思いきや、他の四人がヒューマン・ビート・ボックスを披露!
これには観客から歓声が上がりました。
♪愛の歌
ノリノリ。
途中でリーダーが「みんなの愛の歌を聴かせてくれ…」と客を煽って歌わせました。
「こんばんは! ゴスペラーズでぇす!」
メンバーは黒のジャケットにシャツ、ジーンズというスタイル。
ジャケットは全員少しずつ違っていて、それぞれ胸に花がついていました。
酒井さんは襟部分にボタンホールが三つついていたりして
かなり凝ったジャケット。
安岡さんのジャケットは左襟にだけスパンコールが散りばめられています。
ジーンズはリーダーはやや黒っぽいもの、安岡さんは光沢のあるコーティングを
したものでした。(暑そうと言えば暑そうかも…?)
ベルトもそれぞれ違う物。
シャツはブルーのストライプタイプが多かったのですが、北山さんの真っ白など
やはりそれぞれ個性のある選択になっていました。
全体的に、北山さんの衣装はオーソドックスで学生っぽかったような気が。
さて、ツアーでの和歌山県上陸は二度目です。
村上「熊野地に来たのは初めてです!」 会場拍手。
では、
村上「誰かと誰かを間違えて覚えていたなんて人がいるかもしれませんので(笑)」
自己紹介から行ってみましょう。
「ひとり早くこちらに来て前日から温泉に入りまくっていました村上です」
「駅前で“弁慶焼き”を買いました。安岡です」
「駅前にやたら弁慶が多いと思いました。酒井です」
「駅前にカレー屋を見つけたのですがまだ食べられていません。
黒沢です」「カレーのれんが屋」さまです。
「駅前にすごい名前のうどん・そばのお店を見つけました。…わかりませんか?
『あそこ』っていう。(会場笑) 北山です」
会場拍手。
「確かに弁慶多いねー」とメンバー。
和歌山県田辺市は武蔵坊弁慶の誕生の地とされており、駅前には銅像も建っています。
安岡「僕は“弁慶焼き”を駅の横の屋台で買ったんですよ。
で、弁慶の“弁”くらいは入ってるのかな?と思って見たんだけど、
何にも入っていませんでした(笑)」
この街はそんなものですよ…。
旅好きのリーダーは他のメンバーよりも一足先に紀南入りしたのだとか。
安岡「集合して、リーダー遅いな?と思ったら“先に行きました”って(笑)」
村上「俺は早起き、九時とかに起きて来たからね〜」
そんなリーダーのお目当ては隣町である白浜町の温泉。
村上「白浜温泉はね、何とか天皇が入ったとか…(長くなるので割愛します)」
酒井「マニアックですね(笑)」
タクシーでお目当ての温泉に行こうとすると、細い道を前からバックで蛇行しながら
出てくる車が。
「何やってんだ〜?」と思いながらやりすごし、行ってみると
村上「【水曜日定休日】って書いてたの(笑)」
で、道が細いので車を回せず、先ほどの車とまったく同じようにバックで
蛇行しながら出てくる羽目に…。
村上「後で見てみたら、道の入り口に書いてあったんだよね。
【水曜日定休日】って(笑)」
「今日行けばいいんじゃないの?」と他のメンバーがぽつり。
村上「そうだよね、今日は木曜日だもんね(笑)」
仕方ないので近くの白良浜(しららはま。白浜町内の地名です)の温泉に
入ったのだとか。
ここのガラス越しに見える景色が絶景で、
身を乗り出して夕日を見ていたのだそうです。
黒沢「サングラスをしてですか?(笑)」
会場爆笑。
さすがにそれはしていません。
酒井「正しいサングラスの使い方だよね」
この酒井さんのツッコミを、メンバーは誰一人気づかずにスルー。
会場が笑い出してようやく気づく有様。
「夕日を見るんだもんね?」と酒井さんが自己フォローしていました。
#この後、何度か酒井さんが軽くボケるシーンがあったのですが
#ことごとく不発に終わっていました…。
大衆浴場の雰囲気が好きだと言うリーダー。
一緒に入っていたオジサマたちが温泉行組合の方らしく、
「椿村の温泉料金がああだ」「合併したらこうだ」などと
合併問題で、温泉内全体に聴こえるぐらいの大声で熱く議論をしている中で
リーダーもいたのだとか。
安岡「えっ! 組合の会合にリーダーも参加してたんですか!?」
村上「してないしてない(笑) 一緒にいたってだけだから」
会場笑。
#上記、リーダーの言ったとおりに書きましたが、椿は村ではありません。
#「白浜町椿」が正解なので字名ですね。
#多分、来年白浜町と日置川町が合併するのでその際の椿温泉の料金の
#話をしていたものと思われます。
後で合流した他のメンバーたち。
旅芸人の彼らが楽しみにしているのは、その土地の美味しいものを食べること。
安岡「というわけで、僕たちはクエ鍋を食べてきました」
おーっ、と会場。でも実は田辺特産というほどではないのですが。
村上「クエってわかる? こんな顔してるの」
とリーダー、あごを突き出してクエの顔真似。会場大爆笑。
隣で酒井さんも一緒にやっていました。
ちなみにクエはこんな顔です。(Yahoo!きっず図鑑より)
二人の顔はどちらかといえばクエよりもガシラに似ていた気が…。
#このクエの顔が気に入ったらしく、リーダーはこの後何度もクエ顔をして
#ぼそぼそしゃべっていました。
初体験のクエ鍋はメンバーに好評だった様子。
前回(04年05月27日号泣ツアー)は和歌山市で開催されましたが、
紀南地方にゴスペラーズが来るのは初めてです。
安岡「ゴスペラーズのライブに初めて来たって人、手を挙げて?」
二階席(一般発売席?)にかなりの人数がいました。
安岡「初めて見るゴスペラーズ、どうですか?」
会場「いえーい!」
安岡「え?人数が多いって?(笑)」
「そんなわけないだろ!」と他のメンバーから総ツッコミ。会場笑。
北山「でも僕らのことをアカペラグループで、五人だけでやってると思ってる人も
いるかもしれないよ。
だから“バンドメンバーがいて人数が多い!”と思ってる人がいるかもね」
と、一所懸命フォローしていたのはさておき。
ここで観客層チェック、行ってみましょう。
村上「お客さんの中で、田辺、それから…南部(なんぶ)と書いて何て読むんだっけ?」
地元客「みなべー!」
村上「あ、みなべ? 田辺、南部あたりから来た人、手を挙げて?」
安岡「…意外に少ないですね?」
#南部(みなべ)…04年10月に南部(みなべ)町と南部川(みなべがわ)村が合併して
「みなべ町」になりました。現在は漢字を使いません。
村上「じゃあ和歌山市あたりまでの人?」
これも意外に少ない。
村上「大阪からの人?」
会場「はーい!」
安岡「やっぱり大阪多いね…(笑)」
そう、地元でもチケット取れなかったんですよ、安岡さん…。
それどころか、ゴスペラーズライブがあることさえあまり知られていなかったので
こういう結果になったものだと思われます。
村上「大阪の人ばっかりだったら、『あそこ』とか言っても
わかんなかったんじゃないか?(笑)」
北山「そうかもしれないね(笑)」
それもあったのかもしれませんが、実は駅前ではなく駅裏にあるお店なのです。
だから地元民も「?」と反応が薄かったのでした。
そんなこんなで微妙に滑り気味のMC。
そろそろこのあたりで、しっとりとしたバラードを行ってみましょう。
♪ひとり
有名なナンバーに、会場は静まり返って聴き入ります。
会場に響くは五人の声のみ。
ハーモニーもばっちり決まっていました。
♪ミモザ
微妙にダンス付きでした。
最後のサビの、それぞれが別々に歌いこむ部分がかなりカッコイイ。
黒沢さんが飛び跳ねながら声を出していたのが初心者には「?」だったようですが
あの方はそういう歌い方をする人です。
決して苦しんでいるわけではありません。
今回はバンドの音がかなり大きかったように思うので、もしかすると自分の声が
確認しづらかったのかも?
♪誓い
出だしはアカペラ。
それだけでもいい感じですが、メリハリの効いた演奏、歌い上げる五人に
かなりぐっときました。
今回のライブの「絶対に生で聴け!」第一位に選ばせていただきます。
♪約束の季節
やはりさわやか。
黒沢さんの高音もクリアに出ていて最高。
北山さんが「そのどこか“に”」と歌詩を微妙に間違えていましたが
歌声が素晴らしかったのでよしとしましょう。
安岡「アルバム“G10”より、四曲続けてお送りしました」
ここでそのアルバムの話に。
ファン投票で選ばれた曲で作りました、という言葉に会場拍手。
安岡「おかげさまで、一票も入らなかった曲はありませんでした!」
自分たちで曲を作ることの多いメンバーたちにとって、これはかなり嬉しかった様子。
村上「上位50位くらいまでは公表されてるんだよね?
ちなみに最下位は何だっけ?」
安岡「えーと、イントロとかじゃなかったっけ?」
村上「あ、違うわ。“インター'95”だ!
えーと…ドゥーワナ、ドゥーワナ♪」
♪インター'95
即興で歌いだすメンバーたち。
ですが、自信がないのかみんな目が泳ぎ気味。
安岡さんに至っては他のメンバーをきょろきょろ見るだけで歌えません。
頭の上に?マークがいっぱい飛んでいるうちに終了しました。
「覚えてなかった!」とメンバー自身大笑い。
安岡さんは「俺、まったく思い出せませんでした!」と大汗。
村上「この曲、ライブで歌ったことないんじゃない?」
ということは、この曲は今更ながらライブ初御披露目?
得をしたのかしていないのかは会場にいた観客の判断におまかせ。
安岡「別に歌詩とかもなくて、ただ単にドゥーワナドゥーワナ
言ってるだけですからね(笑)」
黒沢「この曲に投票した人もすごいよね(笑)」
これには会場大爆笑。
酒井「一票も入らなかった曲がないんだもんね」
黒沢「選んだ人はすごいぞ(笑)」
安岡「これを(投票できる曲数の)10曲の中に選ぶっていうのもね(笑)」
そんなこんなでファンによって選ばれた曲たち(「ミモザ」を加えて)によって
作られた「G10」ですが
村上「惜しくも選曲に漏れなかった…?」
ゴス「ん??」
「選曲に“漏れた”」が正解ですよ、リーダー。
村上「“漏れなかった”って言ったらシモネタっぽいね(笑)」
酒井「噛んだ上にシモネタかよ!」
この後もリーダーは噛み噛みを連発。
噛んだ挙句に今自分が言っていたことを忘れ、北山さんに説明されるという
一幕もありました。
では気を取り直して。
村上「惜しくも選曲に漏れたけれど、この10年で我々にとって
転機になったりした、大事な曲というのもいっぱいあります」
というわけで、10年を振り返って行ってみましょう。
題して「Go Backメドレー 〜出逢った頃のように〜」。
Go back♪と歌いだすメンバー。
そしてイントロにあわせてリーダーが紹介します。
「デビューして初めて五人で作った曲です」
♪U'll Be Mine (アルバム「The Gospellers」より)
「Love Notes」でアコースティックヴァージョンが有名になりましたが
こちらはオリジナルヴァージョン。
デビュー当時の元気いっぱいの五人を彷彿させます。
しかし歌唱力は現在のほうが格段上。さすがです。
「次はアルバム“二枚目”より!」
振り返った北山さんは懐かしい眼鏡姿。
会場から歓声が上がります。
♪虹 (アルバム「二枚目」より)
低音リードと共に魅力なのは何といってもお笑いセンス(?)。
「あなたじゃありません!」と連れ戻されるリーダー、
プロレス技をかけられた真似をする酒井さん、オネエな口調の安岡さん、
「しっかりしないと!」と黒沢さんに言われて一瞬固まる北山さんなど、
その楽しさを存分に発揮していました。
北山「この曲のために眼鏡は実家から持ってきました」
眼鏡くんお疲れ様。御役御免です。
次も元気な曲に。
♪JOIN 2 JOYS (アルバム「Mo' Beat」より)
歌に合わせ、観客も楽しそうに乗っています。
CDよりもライブで聴け!という曲ではないでしょうか。
認知度が上がってきて、そろそろブレイクする?と思い始めたあたりのアルバムから。
♪in the Soup (アルバム「Vol.4」より)
爽やかな酒井さんの声と甘い安岡さんの声。
しかしCD収録当時よりも歌の世界が広がったような。
随分彼らの表現力のレベルが上がったことが窺われました。
なかなかブレイクできないゴスペラーズ。
こうなると「自分たちのやりたいことをやろう」ということになります。
そしてバラードも力強く歌うように。
♪I LOVE YOU,BABY (アルバム「FIVE KEYS」より)
歌い込むことによって作り出される、この歌の世界の深さを見せつけられた
気がしました。
個人的にはバックボーカルの安岡さんの「I LOVE YOU,BABY♪」が
聴きたかったのですが、今回は省略されていたようですね。
開き直った?ゴスペラーズはさらなる歌の世界を求めてアトランタへ。
そこで出会った技術や音の世界を取り入れて、今までになかった大人の音楽に。
♪夢の外 (アルバム「Soul Serenade」より)
静かな曲調の中に熱さを秘めた、まさにゴスペラーズの転機となった曲ですね。
黒沢さんのフェイクも冴えています。
ひざまずいて客席に手を差し出す様子が最高にカッコよかったです。
#おててタッチは今回はしていませんでした。
途中のダンスにもすっかり魅了されてしまいました。
自分たちの音楽を磨き続けてきたゴスペラーズ。
遂に、彼らにもブレイクの瞬間が訪れます。
彼らの運命を変えた、この一曲。
♪永遠に
やはり貫禄があります。
普段はアンプラグドヴァージョンの長さで歌われるのですが今回は普通サイズ。
それがなんとも惜しかった。そう思えるほどにいつまでも聴いていたい曲です。
安岡「僕たちも何年ぶりかに歌う曲が幾つもありましたね」
メンバーもそう言って懐かしんでいました。
さて、彼らのライブはバンドつきだけではありません。
というわけで、アカペラライブの話に。
最近行われた公演では「アカペラ港」がありましたね。
村上「やっぱいいなぁ! なあ黒沢!」
黒沢「(寒そうに)そうかぁ? ただ寒いだけだけどな。雨降ってるし」
#黒沢さん、この日の天気を指して言ったものだと思われます。(雨でした)
と、突如ステージの上のほうから
酒井@船長役「コングラチュレーショ〜〜〜ン! ようこそ私の船へ!」
#このテンションが酒井さんにやたら似合うのは何故…?
村上「まあ、こんな感じで端折って、カットしながら見ていただきました」
そう言ってからリーダー、何故かクエの顔になってぼそぼそとしゃべり始めました。
「世の中なんでもカット、カットって言ってさ。
塩分カットだの何だの。最近ははちみつ漬けとかあるけどさ。(←詳しい…)
梅干は塩が固まってくっついてるようなのが美味いんだぞー!」
「何言ってるんだ?」と酒井さんにツッこまれていました。
村上「いやまあ、和歌山といえば梅干だからさ(笑)」
安岡「ああ、梅干にミカンね(笑)」
それはさておき。
村上「アカペラ港といえば、こんな場面がありましたね」
ナイフ(スプーンぽく見えましたが…)を持ってご乱心の捨吉@酒井。
三郎@安岡「捨吉がトラになったぞ!」
一郎@北山「トラだ! トラを捕まえろ!」
♪Tiger Rag
ちょっぴりショートバージョンですが、始まった瞬間に歓声が起きました。
歌いながら五人でグルグル回ます。
そして遂に、捨吉が二郎@黒沢を追い詰めてナイフで…そして逃走。
って、アカペラ港では刺されなかったのでは?
「二郎兄!?」
倒れた二郎の周りに集まる他の三人の兄弟。
二郎「うう…アカペラ港では刺されなかったのに…」
会場大爆笑。
二郎「本当はどうだったのかは、ロビーでDVDを販売しています」
って、宣伝ですか?
倒れたまま宣伝している二郎を見捨てて他の兄弟は舞台中央に戻ってきます。
村上「神奈川にうちのかーちゃん来てたんだけど
『黒沢くん、あそこで宣伝しないほうがいいわね』って言ってました(笑)」
安岡「あ、起きてきた(笑)」
黒沢さん、ようやく起き出しました。
グッズ等のデザインを手がけているのは黒沢さんなので、
帰りにでも見ていってください、ということでこの話題は終了。
さて、遡るとゴスペラーズはアカペラステージもいろいろやってきました。
「アカペラ貴族」、「アカペラっぽいの好き」、そしてその次が「アカペラ人」。
このときには、今や大河ドラマ等にも出演して有名になった俳優の堺雅人さんと
共演しています。
村上「堺くん、すっごく叫んでたよね(笑)」
そのとき、ステージ上部に酒井@堺雅人役が登場。
酒井「ア・カペラ! ア・カペラ! 皆さんもご一緒に!」
観客「ア・カペラ!」
村上「…堺くんは言わせてなかったと思うけど(ぼそっ)」
このときの堺さんの役どころは考古学者。
アカペラの化石を発掘し、バーバーショップハーモニーとアカペラの関係を
調査するという難しい役柄でした。
「アカペラ人」の後に公演されたのが「アカペラ門」。
自閉症の若者(柏原直人)と兄(佐藤拓之)を描いていたそうです。
ここで兄役を北山、弟役を安岡が演じて再現します。
「ひとり」はこのときに初披露されているのだとか。
こういう場であたらしい曲を披露し、客の反応を見たりしたのだそうです。
安岡「でもこのときは“ひとり”はタイトル違ったんですよね?」
村上「うん。“恋するアカペラ人形”だったからね」
会場爆笑。
「讃歌」は「アカペラ人」で初披露。
だけど曲の出来上がりが遅く、ライブ直前まで練習していたのだとか。
しかもタイトルがついていませんでした。
酒井「直前までプログラムに“酒井曲(仮)”って書かれてたからね(笑)」
会場も大笑い。
裏話が次々出てきます。
「そしてこのアカペラ門の主題歌として歌ったのが“One more day”です」
♪One more day
これもショートヴァージョン、しかもワンコーラス目の途中を
カットされていたのが残念。
曲を味わう余裕がなかった…。
「アカペラ人」「アカペラ門」と続いた後に来たのが「アカペラ街」。
ここに登場したのが、未来から来たという安岡さんの息子を名乗る
オジサン(中村まこと)。
黒沢「息子だからって、ほくろの位置まで同じとは限らないのにね(笑)」
そう、息子らしくするためにまことさんは、安岡さんと同じ場所に
ほくろをつけていたのです。
会場笑。
北山「このときの主題歌として生まれたのが“星屑の街”です」
♪星屑の街
これはノーカット版。
ステージのライトが落とされ、五人の姿だけが浮かび上がります。
美しい歌声が響く会場内。
途中で点灯された、幾多の星屑たちが印象的でした。
アカペラが続きましたが、星屑に彩られたステージから静かに
キーボード音が流れ始めます。
♪月光
CDよりもはるかに研ぎ澄まされた北山さんと安岡さんの声。
静かな、それでいて内に熱いものを秘めたコーラスが胸に迫ります。
滂沱の涙を流している人が大勢いました。
「絶対に生で聴け!」第二位に選ばせていただきます。
歌が終わってメンバーたちは退場。
その間、バンドメンバーが演奏しています。
やがてそれも終了し、聴き覚えのあるイントロが。
再登場したゴスメンバーは上下ショッキングピンクのスーツに白いシャツ。
村上、黒沢、安岡はシャツのボタンが胸の下辺りまで開いていました。
が、村上・黒沢の襟が立っているシャツに対し、安岡さんは
吸湿性のよさげなやわらかそうなシャツだったため、やたら開襟部分が
大きく見えたような…。
♪熱帯夜
後半初っ端からゴスパワー全開。
大人しい観客たちはやや乗り切れていない部分もありましたが、まだ序説ですから。
間奏部分でダンスがついているのですが……汗。
後で「ホストクラブってあんな感じなのか??」と感想を言ったのは私です。
#行ったことないから知りませんよ。念のため。
♪イントロ'96
この手拍子あたりから観客もノリはじめます。
この曲はインタールードとして使われることが多いですね。
村上「こんなノリにぴったりの曲に行ってみよう!」
♪靴は履いたまま
くるくると回るダンスが楽しい。
ゴスペラーズ初心者でも微妙に知っている曲(「ニュースステーション」のテーマ)
なので、会場のテンションも上がってきました。
曲調が変わる部分での安岡さんのリードが効いています。
♪シークレット
ダンスに注目!
今までのツアーではダンスはついていませんでしたが、今回はついていました。
歌っているリーダー、踊っている他の四人。
ちなみにそれを見た私の周囲の評価は「ダンス二人、筋トレ一人、空手一人」でした。
…誰がどこに当てはまるのかは推して知るべし。
♪GOD BLESS YOU
これまたダンスにご注目。と言われなくても目が行ってしまう曲です。
幼稚園のお遊戯張りに楽しい振りが付いています。
しかしこれを三十過ぎの男五人でやっているのだと思えば少し怖(強制終了)
安岡さんとギターの玉川さん、ベースの須藤さんが楽しげに踊っていたのが
印象的でした。
この曲、こんなに楽しかった?という気がしないでもないのですが、
サヨナラは言わずに前向きに見送ってあげよう、という曲なのでよしとしましょう。
♪カレンダー
大学生のノリが炸裂した感じ。
途中、北山・村上・黒沢が肩を組んで歌うシーンも。会場大喜びです。
短かったのがもったいなかったくらい楽しませてもらいました。
♪ウルフ
人気のナンバー。
一部、黒沢さんの音が外れたかも…という場面がありましたが
気にしないことにしましょう。
村上・黒沢でリードを分け合う部分がやはりかっこいいですね。
最後のサビで盛り上がっている最中に何故か酒井さんが退場してしまいました。ん?
大盛り上がりのうちに曲終了。
「あれ?酒井さんがいません!」
意外に言われて気づいた観客が多かったようです。
村上「どこへ行ったんでしょう!」
安岡「初めての街に来たと言うのに、一人足りません!(笑)」
そこへ、白衣にサングラス、秘密組織の研究員風の見た目からして怪しい二人組が
白布をかけた物体を台車に載せて運んできます。
何だ何だ?
研究員もどきが白布を取ると…金色に輝く男が登場。
おおっ!LOVE MACHINEさまだっ!! 会場騒然。
※【用語説明】LOVE MACHINEさま
ゴスライブに稀に現れる伝説の男。別名「愛の伝道師」と呼ばれる。
彼を目撃した者は恋愛が成就するとも幸せになれるとも言われる。
酒井雄二に似ているというウワサだが、真実を知るものは誰もいない。
…大嘘が混じっている上に話が大きすぎるだろう、と冷静にツッこんでおきます。
LOVE MACHINEさまの登場とくれば、この曲しかないだろう!
♪LOVE MACHINE
パントマイムダンス等は健在です。
「LaLaLaLa〜」でメンバー(+LOVE MACHINEさま)が観客を煽ります。
LOVE MACHINEさまがバズーカ砲?をぶっ放し、金色のテープを会場に飛ばす
サービス??も。
研究員風の二人はステージ後方で無表情のまま立っていたのですが、
メンバーたちと一緒に無表情のまま指差しをしたりしていました。
さらに楽しげな須藤さんに絡まれながら立っている無表情な白衣。
このアンバランスさが微妙に面白かったかも。
「酒井雄二…じゃなくてLOVE MACHINE!」とリーダーが紹介。
観客大喜びです。
最後に一発大きなバズーカ砲を打つと、曲の終了と共にLOVE MACHINEさまは
研究員たちと共に去っていきました。
愛の伝道は終わったようです。(?)
安岡「酒井さんに似てたけどねー」
黒沢「似てたねー(笑)」
北山「うんうん」
村上「俺さ、酒井に似てるなーとは思ったけど
“酒井雄二…じゃなくてLOVE MACHINE!”って(笑)」
四人が盛り上がっているところへ酒井さん再登場。
酒井「ああ、やってるなと思いながら後ろで見てました」
村上「お前顔半分汗かいてるね(笑)」
酒井「いやいや!(笑)」
#LOVE MACHINEさまはヘルメットのようなものをかぶり、顔半分を隠していたのです。
それとこれと関係があるかどうかは謎のままです。(大嘘)
さて、このツアー「G10」は10周年記念ツアーです。
学生だった自分たちが「この曲ならどこに出ても恥ずかしくない」(村上談)、
そう思えた曲がありました。
村上「僕たちのデビュー曲、“Promise”です」
♪Promise-a cappella-
デビューシングルはオケ付き、しかしここはアカペラで。
メンバーがこの曲を大切に思っていることがひしひしと伝わってきます。
途中、北山さんがしきりに下を指差していました。
音程が少し狂っていたのかな? しかし素人にはわかりませんでした。
♪あたらしい世界
美しい曲調、美しい演奏、美しい歌声に、会場は歌の世界に引き込まれています。
しかしトラブル発生。
最後のサビ部分、黒沢→村上→黒沢とリードが変わっていく部分の最初で
黒沢さんが後で歌うはずの歌詞を歌ってしまいました。
えっ?? 歌詞を覚えているファンは現実世界に引き戻されてしまいます。
そのまま歌い続けているメンバー。
自分のリードを歌い切った時点で、リーダーが黒沢さんの方を見て少しにやりと
したのを私は見逃しませんでした…。
でも黒沢さんは知らん顔して、同じ歌詞をフツーに二回目も歌って終えました。
「でも歌はよかったからいいか〜」とは、間違いに気づいたファンたちの弁。
♪東京スヰート
最後の最後に出ました、ファン投票第一位曲!
転調する部分からが最高にカッコイイ。
メロディーラインを歌うリーダー、甘いコーラスを入れる酒井さん、安岡さん、
伸びのある声で熱唱する北山さん、熱く歌い上げる黒沢さん。
この五人でゴスペラーズ。まさにそう思わせてくれる一曲でした。
これで全曲終了。メンバーは退場します。
お約束、北山さんの投げキッスつき。
アンコールを促す拍手を続けているとバンドメンバー登場。
そして……ん?何故かタオル片手にステージ上部からリーダーが一人で登場。
クエ顔でぼそぼそとしゃべっていましたが、イマイチ聴こえません…。
村上「まだやる?」(クエ顔)
観客「いえーい!」
村上「なんかさ、不完全燃焼なんだよ」(クエ顔)
観客「いえーい!」
村上「やるか?」
観客「いえーい!」
(バンド:「ジャーン!」という音)
村上:「行っていいか!」
観客「いえーい!!」
(バンド:「ジャーン!」)
イントロが流れ始め、他のメンバーが再登場。観客一同拍手喝采です。
全員タオル(G10グッズ)を持っています。
北山さんが走ってきたときに何か銀色のものが落ちたような…?
でも本人は気づかなかった様子です。
♪FIVE KEYS
村上「騒げや田辺ー!」
観客「Fu♪Fu♪」
初めての会場なのにこのノリ。なかなかのものです。
メンバーに煽られて手を叩いたり、5を数えたり、「HEY!HEY!」と
ジャンプしたり。
歌詩どおりなのでわかりやすいからでしょう、観客も楽しげにやっています。
やはりいちばん張り切っていたのは北山さんでしょうか。
大技は出ませんでしたが、ステージ上を飛び回っておりました。
会場も一体の熱いノリから、一気に次の曲に。
♪侍ゴスペラーズ
ツアー前は「歌うかどうか約束できない」と言われていた曲。
その“問題”の【ヤングライオン】も、ちゃんと安岡さんは普通に
歌っていました。
さすがゴスペラーズ、やるときはやります。
#褒め言葉になっているのかどうなのか。
「皆様のゴスペラーズ!」に観客一同大喝采でした。
♪Atlas
熱い会場に爽やかな風が吹き抜けるような歌声でした。
最後は高音が多いので声のスタミナが心配でしたが、そんなことは杞憂。
みんな綺麗にクリアしていました。
一つのツアーで全県制覇するという偉業も号泣ツアーで成し遂げ、
彼らの地図帳【Atlas】にはどんな将来が描かれているのでしょう。
ここでバンドメンバーたちは退場。
会場からは惜しみない拍手が降り注ぎます。
五人だけになったステージ上で黒沢さんが何かを拾って北山さんに。
やはり音叉を落としていたようです。会場もメンバーも笑。
「アンコールありがとう」
それでは最後のご挨拶を。
北山「えー、音叉を落としてしまいましたが。(会場笑)
多いときには僕はステージ上に音叉を六本ぐらい撒いています。
今日は三本ぐらいだったと思うんですが。暴れ足りなかったですか?(会場笑)
僕は結構暴れたつもりだったんですが。男31歳、まだやれる!と思いました。
今日は楽しかったた(←?)です。…すみません、噛んじゃいました」
安岡「10周年を過ぎても、まだまだあたらしい土地に行けるというのは嬉しいことです。
どうもありがとう!」
酒井「何故か手のひらに覚えのない傷があるんですよ、ざっくりと、ほら。
(と、会場に手を見せる)
おかしいなー? どうしちゃったんだろなー?(会場笑)
みんなには内緒だよぉ♪」
※“覚えがない”ということはやはり“あの”曲のときにやったのでしょう。
黒沢「えー、ステージの上は危険がいっぱいです。気をつけましょうね。
お客さんに言ってもしょうがないですけどね(笑) (会場笑)
今日はいろんなお客さんが来てまして、
“姉妹? 歳の離れた姉妹? …親子??”みたいな(笑)
“娘の前で恥ずかしいわ”“お母さんの前で恥ずかしいわ”という感じで
遠慮がちだったお客さんが、最後には
“○×△■ーーー♪♪”(黒沢、激興奮の女性客の真似。会場大爆笑)
って飛び跳ねていたのが見ていて面白かったです(笑)
そんなふうになってくれるのを見ると、よかったなあと思いました」
村上「安岡が言ったように、10年やってきてもまだ、今まで行ったことのない街に
行けるというのがすごくいいなと思います。
逆に言うとね、“次はあなたの街にも行くかもしれません”ってことです。
(会場拍手)
また今度、田辺に来るかもしれないし串本あたりかもしれないけれど、
またお会いしましょう」
「最後はシーンとする曲じゃなくて、ガツンとくる曲で締めましょう!」
♪いろは
駆け抜けたような三時間を象徴するような勢いがあります。
合わせるだけがアカペラじゃない。リードを他が支えるだけがグループじゃない。
みんなが主役。
「これがゴスペラーズだ!」というものを見せつけられたような入魂の一曲でした。
会場は拍手喝采。
いつまでも鳴り止みません。
と、メンバーが「G!」
「GG!」「GGG!」「GGGG!」「GGGGG!」
そして…
【G10!】
なるほど!それが言いたかったのか!
10年間を駆け抜け、さらにこれから未来を紡いでいこうとする五人に観客一同
大きな拍手を送ったのでした。
Special Thanks to りえさん