〜ライブレポート〜
<ゴスペラーズコンサート2006 in Naeba> 2006年02月18日 苗場プリンスホテル
<!-- 一部美しくない会話が含まれているため、伏せている部分があります。 -->
ステージ上は白。
白いスクリーンに覆われ、DJバリ“K”〜んさんのターンテーブルには、
雪の結晶の形があしらわれていました。
会場が暗くなり、ステージ上に一筋のライトが当てられます。
そこには白いガウンっぽい衣装(ジャケットに帯代わりのリボンを巻いていただけだが)を
まとってステージ上部腰掛け、本を開いている安岡さん。
これから始まるライブのプロローグ、雪に閉ざされた地方ではさまざまな言い伝えや伝説、
童話が生み出されている、ということを、まるで本を読むかのように語ります。
#以降、こういうスタイルで進行されますが、語り部分は省略させていただきます。
「童話に出てくる王子や…」と安岡さんが語った瞬間、ステージ後方から
王子っぽいジャケットを着た北山さんが登場して会場から歓声(微妙に爆笑)。
曲のイントロが流れ始め、他の三人のメンバーもゆっくりと登場します。
♪五つの鍵の伝説
歌が始まり、さりげなく安岡さんはジャケットに掛けてあったリボンを外していました。
コーラス部分が意外に厚く、熱いのです。
これから始まるライブの様子を予言するかのような、力のこもった歌声でした。
♪ポーカーフェイス
黒沢さんの声が少々厳しそう。風邪でも引いたのかな?と少し心配。
Rhymesterのラップ部分はDJバリ“K”〜んさんの見せ場ですね。
メンバーたちがフェイクを入れたりして、CDでは聴くことのできない掛け合いも
披露してくれました。
(童話の語り)
♪逃飛行
村上・黒沢の掛け合いがとにかく熱い。
実は二人とも声の調子は良く聴こえなかったのですが、逆にこういう曲には
ぴったりきていました。
元々声量のあるグループですし、迫力満点。
(童話の語り)
♪Body Calling
セクシー。五人の声が次々と重なり合っていく様が素敵。
北山さんの低音がよく響いていて心地よい感じ。
「ようこそ苗場ブリザーディウムへ!」という安岡さんの言葉に会場歓声。
「『ブリザーディウム』とちゃんと言えました! 安岡優です!」
「関係者は『ブリザ』と呼んでいるそうです。酒井雄二でーす!」
「去年サングラスのキャラをHGに取られたんで(会場笑)今年巻き返したいと思います。
村上てつやでございます」
「今日の衣装はバッジをいっぱいつけています。
カッコつけてるつもりなんですが、七五三に見えなくもない黒沢薫です」
最後に進み出た北山さんは半笑い。
「…そんなこと言ったらこの(と自分の衣装を引っ張る)総はどうなるんだ…笑」
会場爆笑。「王子ー!」という声も飛んでいました。
「いいんだよ、衣装なんだから(笑)」とリーダー。
北山「そんな北山陽一です」
他のメンバーの衣装は白主体。
黒沢さんは普通にかっちりした白スーツにバッジ
(と言っていましたが、今回のライブグッズのピンブローチ等だと思われます)、
左小指には自身のツアーグッズであったピンキーリングをしていたようでした。
リーダーはベストを羽織っていました。
酒井さんのジャケットはちょっとこじゃれたもの。
安岡さんのジャケットの下はタンクトップで、いつものペンダントとは違うように
見えましたが未確認。
で、北山さん。
「衣装だからいいけど、これが私服だった場合は問題だよね…(笑)」
たしかに…。
さて、独特のオープニングを迎えた今回のライブ。
安岡「雪に閉ざされた地方では、童話や物語が多く生まれるんですよね?」
村上「……」(←無反応)
会場爆笑。
安岡「リーダー! リーダー! 気を抜かないでくださいっ!(笑)」
村上「いやいや、別に気は抜いてないよ。
どうやって安岡を困らせようか、ずーっと考えてたの。
安岡が噛んだときにどうツッこもうかとか」
安岡「俺が失敗する前から?(笑)」
村上「失敗していないのに考えてたの(笑)」
他のメンバーも爆笑中。
安岡「じゃあ話を戻しますよ?
雪に閉ざされた地方では、童話や物語が多く生まれるんですよね? リーダー?」
村上「うん!」(←元気にひとこと)
…会場大爆笑。
北山「二文字で終わらせたね(笑)」
安岡「今、俺が一所懸命振ったのに!(笑)」
酒井「二文字で終わった(笑)」
しかし、ここで終わらせると負けだと思ったのか。
安岡「へえ、そうなんですね!?」(←無理やり驚いたように)
村上「うん!」(←とっても笑顔)
安岡「そうなんですかあ〜!」(←意地)
酒井「両方投げっぱなしです。誰も拾いません!(笑)」
そろそろ真面目に行きましょう。
村上「雪に閉ざされた地域は家族で顔を合わせる時間が、暖かい地域より多いんですよね。
だから物語とか口伝とか、親から子へと代々伝えていくっていうのが、ね。
祖父母から子へ…じゃねーや、階層がわからなくなってます(笑)
祖父母から親へ、親から子へと受け継がれて伝わった物語が多いというわけです。
長くてゴメンネ」
長くても流暢な解説。
安岡「その長い解説、サングラスの中に書いてあるんですか?」
カンニング!? 会場笑。
村上「HGに対抗するには普通のサングラスじゃなくて(笑)
そういうサングラスを北山に開発してもらって」
北山「俺が作るの…?(笑)」
黒沢「それ、作ったときにはグッズとして売りたいね(笑)」
村上モデルのカンニングサングラス??
黒沢「学校のテストのときに、先生が入ってきて、みんなこのサングラスの生徒だったら
嫌だろうね(笑)」
いや、その前に開発費が…などと現実的な話に流れていきました…。
どうにも話が脱線してしまう五人。
村上「まあ、そんな感じで、寒い中、暖炉の前でくつろいで本を読むようなイメージで
始めたわけです。
だから、最初安岡がガウンみたいな衣装着てね。
風呂上りの安岡を想像してください!」
会場からは歓声。
安岡さん照れています。
安岡「いや、ガウンは(←ここ、歓声とかぶっていて聴き取りにくかった)着てないけど…」
ゴス「着てないのぉ!?」(←四人一斉に)
安岡「いや、着てるけどぉ!(笑)」
みんな揃って何を想像している。
ところで、実はこのライブ、今年に入ってはじめての五人でのライブです。
村上「ラジオとかでは『あけましておめでとうございます』とか言ってますけど、
(ライブに)出てくるまで一ヵ月半かかってしまいました(笑)
改めまして、あけましておめでとうございます」
五人ともぺこり。会場からは拍手と歓声。
ここまでに歌った曲も、あまりに久しぶりな曲が多いため、ハモリを忘れていたりして
大変だった様子。
安岡「でもほら、今日のライブは【今年いちばん】の出来だから!」
一発目だから当たり前だー! 会場爆笑。
黒沢「ナンバーワンでオンリーワンだけどな!(笑)」
以降、このフレーズがこのライブでのキーワードになります…。
安岡「今年のライブの中で、五本の指に入るもんね!」
「なるほどー」と、納得するゴスメンバーたち。
北山「まだあと四回使える(笑)」
村上「安岡、お前これで苗場四日間の落としどころを見つけたとか思ってないだろうな?(笑)」
会場爆笑。
酒井「大丈夫、残ってる残ってる(笑)」
五本目のライブまでは使えそうです…。
さて、彼らも年末からいろいろありまして。
村上「紅白、去年はCD作ってなかったから、まさか出してもらえると思ってなかったんですよね。
あの企画はタイムリーだったね(笑)
投票してくれた皆さんのおかげで、出させていただきました!」
会場拍手。
スキウタ投票企画のことですね。
ナイスタイミングでの企画に、「あれはねー(笑)」と、メンバーも笑っていました。
黒沢「アンタ(村上)すごい映ってたねー(笑)」
安岡「ああ、こういう(SM○Pの振り)人の後ろね(笑)」
一緒になってやっている観客多数。それを見た酒井さん、
「みんな、何でそんなに出来るんだ!」
会場笑。
酒井「すげえな! 俺なんか覚えられなくて大変だったんだぞ!(笑)」
逆ギレしているかのような勢いに、会場爆笑でした。
#この日、酒井さんのトークは全般的にこんな感じでした。
ここでリーダーが裏話。
実はその場所、平原綾香さんと夏川りみさんが来る予定だったのだとか。
だけど二人とも退いてしまったのだそうです。
他のメンバーが三人ほど横にいたけれど、突っついて「行け」と言うわけにもいかず。
間をすり抜けて自ら行ったのだとか。
村上「空いてたから行ったんだけど、実はあそこ、【絶対に抜かれる】場所だからね。
視聴率40パーセントゾーンだから(笑)」
会場爆笑。
ここで、一時舞台袖にはけていた安岡さんが戻ってきてます。
華麗なステップを踏んだと思うと、リーダーの後ろに入って踊り始めました。
村上「ああ、俺の後ろか(笑)」
黒沢「抜かれる場所ね(笑)」
ところで、思わぬハプニングもあったとか…。
村上「だけどねー、実はすり抜けて後ろに行くときに、ネコダンサーがいて、
俺(しばらくお待ちください…)ちゃったのよ」
メンバーも会場も爆笑。
村上「で、ダンサーの人の動きが止まった間に行ったんだけど」
そこで勝手に黒沢さんがそのときの様子を再現。
黒沢「『あっ、(しばらくお待ちください…)ちゃった!』」
場内爆笑の渦。
安岡「黒沢さんっ!」
酒井「エロいよ!」
北山「黒沢さんっ!」
黒沢さん、ステージ脇までメンバーに追いやられてしまいます…。
そこでひとこと。
黒沢「いいんだよっ! 俺、去年の年末あたりからエロいってバレてるんだからっ!」
ひ、開き直りました…。またまた場内爆笑。
「そういえば倖田來未さんとかね」とメンバーが言っただけでさらに会場爆笑。
話の収拾がつきません…。
酒井「次行くぞ!次!(笑)」
次行きましょうモードにようやく戻ってきます。
村上「そうか、○まネコって言っちゃいけないのか」
酒井「駄目なんですよ」
なんだかぶつぶつ呟いていました。
村上「ずっと立ちっぱなしで、立ち話で聴いていただいていたので(笑)
次は座ってもらいましょうかね」
酒井「立ち聞きはお行儀悪いぞー!」
会場笑。
村上「座ってもらった割には明るい曲なんですが(笑)聴いてもらいましょう。
『You are my girl』」
会場「(歓声)」
♪You are my girl
号泣ツアーで披露された“おててタッチ”部分は健在です。
但し今回は観客が全員着席していたので、メンバーの手を取りに行った人は
いませんでした。
観客指差し部分や投げキッス部分ではやはり歓声が上がっていました。
(恋物語の語り)
♪fairwind
こんな懐かしい曲が飛び出すとは驚き。
派手なハモリでないのでCDでは然程目立たないのですが、生で聴くと、
各メンバーはこんなパートを歌っていたのか、と再発見させられます。
途中、メンバーはみんなステージ上の階段部分に座ります。
最後はオケが消え、アカペラでの五人のハモリ。
これがなかなかいい感じでした。
(恋物語の語り)
♪旅の途中で
安岡さんがジャケットを脱いでタンクトップになります。
他のメンバーは座ったままのコーラス。
安岡・北山の歌い継ぎ部分が美しい。
後半になると安岡さんを残し、他のメンバーはステージ脇に退場します。
安岡さん単独の歌声が場内に響きます。(めずらしいパターンですね)
やがてこの曲が終わると…
♪Reflections
突然照明が変わり、一転して激しい演奏がはじまります。
座っていた観客も総立ち。
ステージに張られていた白い幕が引かれ、後ろから現れたのは巨大なミラー状のスクリーン。
後方から、退場していたメンバーが、サックスブルーの衣装に着替えて登場。
入れ違いに安岡さんが退場します。着替えて、曲の途中で再び合流していました。
村上・酒井の掛け合いが熱い。
号泣ツアーでメンバーがターンしていた部分は、別の振りに差し替えられていました。
間奏部分での、それぞれのメンバーの声が交錯する部分は何度聴いてもセクシーです。
そして最後の酒井さんの英語が相変わらず素晴らしい。
♪Slow Luv
CDよりソウルチックに仕上がっていました。
曲に合わせて一歩ずつステップを踏む振りまで付いていて、こんなに熱い曲だったっけ?と
思わせるほどの仕上がりでした。
派手に編曲されていることもあり、場内大盛り上がりでした。
村上「盛り上がってますかー?」
会場「いえーい!」
村上「この衣装もいいでしょう?」
会場からは拍手。
村上「安岡とかはビートルズみたいですね」
安岡「ああ、ビートルズね(笑)」
安岡さん、ビートルズの真似。会場笑。
今度の衣装は、光沢のある薄い水色の生地です。袖口のボタンが照明にきらきら輝いていました。
村上「この衣装は何色って言うんですかね?」
黒沢「これはサックスブルーですね。今回は白と青をイメージして。
雪の白と、合わせるんなら青が合うかなーって」
さすが衣装担当。ナイスセンスです。
黒沢「実はこの色、前にも言ってるんですけど(G10DVD副音声参照)
本当は見た目よりももっと濃い色なんですよ。
照明が当たったら色がちょっと薄く見えるんで。
いつものように、生地見本を見ながらですね…」
北山「いやいや。黒沢さんが、苗場の雪で染めたんですよね?」
黒沢「それでもいいよ?
僕が、苗場の雪で染めて作りました!」
微妙に中途半端なグループ連携でしたが、会場笑。
酒井「みんな外に出て、雪の色に合わせた衣装でライブやったらどうだろう?」
北山「保護色!?」
会場爆笑。
黒沢「マイクだけ浮いて見えたりね(笑)」
村上「保護色で見えないのに、声だけ『(裏声で)Slow Luv−−−♪』とか言ってるの(笑)」
ある意味苗場らしいライブ…になるのでしょうか??
さて、話を戻しまして。
衣装はジャケットの襟部分の、微妙な縁取りもポイントなのだとか。
黒沢「これはショールカラーというやつですね」
村上「昔のボーカルグループっぽい感じだね」
酒井「こういうやつね」
酒井さん、過去のボーカルグループっぽい振りで踊り始めます。
村上「何だ酒井、それはゴスペラッツへの布石打ってんのか?(笑)」
終いに「どーん!」とか言いながら座り込んでいます。会場爆笑。
ゴスペラッツとはリーダーと酒井さんが参加するボーカルグループのことですね。
既にレコーディングは終わっているようです。
酒井「佐藤善雄さん、すごいんですよ。こんなことやるんだから」
黒沢「えーっ、そんなことやってるんですか? 見たことない」
村上「そうそう。結構すごかった」
酒井「『ダウン』(座り込むこと)って言うんですけど、
レコーディングのときにいきなりやったりして」
と言いながら、酒井さん再び佐藤さんの真似。
「ダウン、できるんなら五人でやったら皆さんにもわかっていただけるんでしょうけど、
これホントに俺らできないので、すみません」
とリーダーが解説していました。
安岡「えっ! それ、佐藤さんブースの中でやってたんですか?」
酒井「いやいや、レコーディングしたのを聴きながら」
さすがにレコーディング中、歌いながらやっていたらヤバイでしょう…。
さて、黒沢さんの衣装の話題で出ましたが、苗場は雪です。
村上「昼間、スキーとかスノボーとかやってきたって人?」
安岡「結構いるねー」
ぱらぱらと手が挙がっていました。
村上「俺見てたらね、オリンピックの影響かもしんないと思うんだけど、
初心者スノーボーダーが増えたような気がするんだよね」
安岡「ああ。オリンピック、やってますね」
村上「見てる?オリンピック。なんかパフォーマンスとかすごいよね」
ここで酒井さん、会場を煽って手拍子をさせ始めました。
程よく盛り上がったところで競技開始の真似。
そして、すってんころりん腹這いに。
村上「そこかいっ!(笑)」
#スノーボードで日本人選手が転んだところを真似したのだと思われます。
村上「まあでも、昔はオリンピックで観客煽ったりなんて考えられなかったよね」
北山「ストイックさがなくなっている感じはあるね」
ちなみにメンバーのお気に入りは、雪のない国の選手の“オリンピックを楽しんでいる感”
なんだとか。
酒井「あれは好感持てますね。はい」(←自己完結?)
安岡「はいって…(笑)」
北山「黒人の選手が雪の上を走ってたら、周りが白くて肌が黒くて、歯が白いから
ちょっと浮いてるように見えるよね」
酒井「じゃあさ、『保護色ライブ』の次は『浮いて見えるライブ』をやろう!」
会場笑。
村上「それだったら、その気になったら今から外に出たら俺らやれるよ?」
今からやる気ですか、リーダー…??
オリンピックに話が戻ります。
村上「で、『今更恥ずかしくてスノボーなんてできない!』って言ってたのに
オリンピックの影響ではじめたっていう、そんな感じの人が昼間いっぱい見えたの。
なんかね、ゆっっっくり降りてくるの(笑)」
自分たちも始めた頃はねー、なんて話になります。
村上「酒井はスキーで両足捻挫したことあるよね?(笑)」
酒井「そうなんですよ。あのときは何やってたんだったかねえ」
北山「あれじゃない? 瘤の上を跳ぶやつ」(と言いながら軽くジャンプする真似)
酒井「ああ、そうだそうだ」
そうやって軽く跳ぶ練習をしていて、向きを変えようとしたときに、片方のスキー板の上に
もう片方が乗ってしまったらしく、足を捻ってしまったのだとか。
酒井「で、ここで止めたら男が廃る!と思ってやってたら…」
今度はターンするときにもう片方の足を捻ってしまったのだとか。
酒井「む、無念…。堪忍してくだされ…」
会場爆笑。
そのときはサークルの合宿だったのだそうですが。
酒井「そのあとは俺、酒呑んで寝たよ! そーだよ風呂入って酒呑んで寝てたよっ!」
突然逆ギレの酒井さんに、会場もメンバーも爆笑。
村上「酒井、お前今日はノッてるな(笑)」
酒井「…なんだとー!」(←ちょっとリアクションを考えたらしい)
これまた会場爆笑。
黒沢「お前、何で満足そうな顔してんだ(笑)」
ひそかにウケたのが嬉しかったみたいです。
北山「怪我したときはお酒呑んじゃ駄目なんだよ?」
酒井「えっ?それは血液の循環が云々という話ですか?」
北山「そうそう」
酒井「じゃあ風呂も駄目なんだ」
北山「うん」
酒井「逆効果だーっ!」
会場、またまた爆笑の渦でした。
このノリを「酒井、いいね」とリーダー絶賛。お笑いで通用する!と。
村上「後継者いないんだから。エガラシさん…(!?)」
突然口を噤んで逃げ出したリーダーに、観客は「???」。
リーダーは「江頭さん」と言いたいところを「エガラシさん」と言ってしまった様子。
ゴスメンバーは気付いたようで、半笑いでリーダーに迫ります。
村上「ゴスペラーズは、途中噛んだら話が終わるんですよ(笑)」
安岡「トークが中途半端になることがあります!(笑)」
この話題、本当にここで終わってしまいました…。
さて、そろそろ歌に。
次に歌うのは何でしょう?
黒沢「この曲ができた当時、チキチキ感のある曲調がやりたかったんですよね。
で、そのとき20世紀の終わりで、世相に警鐘を鳴らそうと作ったんですよ」
安岡「ちょうど終わりでしたね」
黒沢「そう、セイキマツ(世紀末)。セイキマツで…」
ここでリーダーが吹き出しました。
村上「ちょっと待て。『セイキマツ』って言ってもお客さんあんまりわかってないぞ?(笑)」
北山「セイキマツ…(笑)」
安岡「閣下だ(笑)」
おなじセイキマツでも、多分「聖飢魔U」を咄嗟に想像した方が多かったのではないかと…。
メンバー、悪魔の笑い。会場笑。
酒井「デーモン小暮さんの曲をやります!」
黒沢「やらないよっ。話戻していいですか?(笑)
で、警鐘を鳴らそうとしたんだけど、これが伝わらなかった」
安岡「当時はね」
黒沢「鐘がちっちゃすぎてですね。(小声で)カーンカーンカーン!
これぐらいだったんで(笑)世間に届かなかったんです。
今なら届くかなあと。
今なら鐘もこれぐらい(と、宙に少し大きめの三角の形を書く)の
大きさになってるかなあと」
安岡「今日のウケ方によって、この曲があと何年歌われないか決まります!(笑)」
「また歌われるか」じゃなくて「あと何年歌われないか」なのですね…。
♪まちがいさがし
リードのメンバー以外はステージ上方に腰掛けます。
振りがコミカル。ソロ部分では腕人形をやっているかのように指をパクパクさせたり、
顔にプリクラを貼りまくる真似(何故顔に?)をしたりしていました。
ソロ部分の安岡さんは、ターンしたりカッコつけたり、セクシーに踊りまくり。
ああ、これも「仕事」なわけですね。なるほど。
メンバーの「ハモらせんなよ」がやたら気合入っていたように思えたのは気のせいでしょうか?
以下、この曲の簡単に覚えられる振り。
間違いばかりで♪ … 人差し指を立て、曲のリズムに合わせて振る。
まちがいさがし♪ … 人差し指をくるくる回し、最後の一回は前方を指差す。
観客もノリノリでこれをやっていました。
これだけウケたらこの曲、今後何年も封印されるということはないでしょう。多分。
腕を交差させ、五人並んだ状態で曲が終了。
ん?このポーズは?
♪靴は履いたまま
やはりこれで来ましたか。
ダンスはG10ツアーのときとほぼ変わりませんが、アリーナ公演ではないので
後方に客がいないからでしょうか、ツーコーラス目の黒沢&酒井・北山・安岡の
向かい合ってのダンスはありませんでした。
相変わらず黒沢さん、低めの声が厳しそうです。
それでも巧く乗り切っていました。
村上「皆さん盛り上がってますか?」
観客「いえーい!」
村上「しばらく休養してゴスペラーズ、早くCD出せって思ってるでしょ?」
観客「わー!」
村上「わかってます。やってます。
ちゃんと作って、今日持ってきました!」
観客「!!」
村上「正真正銘、今日が【世界初公開】です!」
そして歌いだしたメンバーたち。
人差し指を突き上げて
「一つになるのさ!♪」
♪一筋の軌跡 (CD未収録。新曲)
観客騒然。まさか新曲が始まるとは。
酒井・黒沢リードの部分が多いものの、メンバーが交互に歌い継いでいく曲。
「一」がキーワードのようで、人差し指を振る動きがよくありました。
北山さんと安岡さんが楽しげに肩を組んで歌っていたのが印象的でした。
途中から旋律部分をメンバーが観客に教え始めます。
歌詞抜きで「lalala〜♪」と歌ったのですが、少々難しくて観客苦戦。
「ここで(音が)上がる!」などと丁寧にレクチャーしてくれました。
観客も、メンバー自身も本当に楽しげに歌っていました。
場内はすごい熱気です。
村上「ありがとうございます!
世界初公開、ゴスペラーズの新曲を聴いていただきました」
観客一同拍手。
村上「曲はちゃんと作ってます。このまえ山中湖にも五人で合宿に行ってきました」
安岡「三年ぶりぐらいですね」
村上「アルバム用に、ちゃんと曲作ってます。
SOULHEADっていう、女性のユニットがあるんだけど、ここは二人でアルバム用に
120曲ぐらい作るんだって。黒沢好きなんだよね?」
黒沢「好きなんですよ♪」
村上「僕らは120曲とまではいかないけれど、30曲ぐらいできました」
ほう、と観客。
村上「反応薄かったね(笑) 俺がその前に120曲とか言ったから(笑)」
黒沢「比べる対象が悪いよ(笑)」
北山「(観客に)ちょっと待って。
120曲と比べたら、五人で30曲で大したことないと思うかもしんないけど、
30曲って大変なんだよ?」
村上「そう。やっぱ対象が悪かったなあ…」
黒沢「反省してる…(笑)
俺ら、ステージで反省することって多いね(笑)」
村上「うん、ミーティングで反省するより、ステージに立ってるときに
ライブやりながら反省することのほうが多いです(笑)」
安岡「反省会とかあんまりやらないもんね(笑)」
村上「えー(笑)
で、ずっとお待たせしていたので、苗場にどの曲を持っていこうかと考えたときに、
みんなで力を合わせて前向きに行くっていく、この曲がいいかと思って選びました」
拍手。
村上「この曲は酒井が作ってきて、サビのところの歌詞もそのとき乗ってたんで、
あとはみんなで考えました。途中五分ぐらい黙ったりしながら(笑)」
安岡「酒井さんとか、ずーっと宙を見てたりしてね(笑)」
その言葉に、村上・黒沢・北山・安岡の四人が一斉に当時の酒井さんの様子を再現。
上を向き、ぼーっと宙を見つめる四人。
酒井「いいからやらなくて!」
照れる酒井さん。
黒沢「もうちょっと遠くのほうを見ながら…」(←まだやってる)
酒井「もうちょっと遠くとか、そんなの別にいいからさ!」
会場笑。
村上「じゃあ酒井、皆さんにこの曲のタイトルを発表してください!」
酒井「『一筋の軌跡』と言います。俺の気が変わらない限りはこれで行きます!」
場内拍手。
ん?気が変わらない限り、ですか?
村上「明日になったら別のタイトル発表してたってことないだろうな?(笑)」
酒井「ゴスペラーズ新曲、『ゲレンデ・ラブ』でーす!」
観客一同大爆笑。
村上、黒沢両氏は替え歌で「一つの愛を追いかけて〜♪」などと歌いだす始末。
安岡「ひよった!?(笑)」
村上「ゴスペラーズひよった!(笑)」
酒井「ひよりよったな、ゴスペラーズ!」
ひ、ひよらないでくださ〜い…。
「こんな風に皆さんに迎えられて、この曲は幸せだと思います」というリーダーの言葉に、
場内からは大きな歓声が上がっていました。
さて、新曲の披露もありましたが、今回のライブでは、リーダーいわく
「G10で振り返りきれなかった曲」が多く歌われています。
#結果的に、アルバム「G10」に収録された曲は二曲しか歌わなかったという、
#ある種めずらしいライブでした。
リーダーが“真面目に”語り始めます。
「これから歌う曲は、今振り返ると青臭い感じがあります。
いろんなもどかしい現実がありつつも、それでも前に前に前に前に進まなきゃいけなかった。
…ウケろよ。ここ、笑うところなんだからさ(笑)」
…会場笑。
安岡「『ひとり』ね!」
黒沢「(裏声)前に前に前に前に♪」
村上「やっぱ裏声で言わなきゃダメか?(笑)」
いや、わかっていたんですけど、リーダーが真面目に語っているものですから
笑えなかったんですよぅ。
仕切りなおしまして、メンバーが次の曲に移るため、隊形を移動し始めます。
村上「(裏声で)前に前に前に前に♪進まなきゃいけなかった。
あの頃はそれが精一杯だった。
…一列に並ぶのって照れくさいんですけど
(注:ステージ上の段に、メンバーが上から一列に整列していた)
笑いたきゃ笑え(笑)
ファーストアルバム『ゴスペラーズ』からこの曲。『Higher』」
♪Higher
なんとも懐かしい。
黒沢さんの低音が殆ど壊滅状態だったのが心配ですが、他の部分は大丈夫でした。
ラスト部分のフェイクがとにかくカッコイイ! 惚れました。
「Higher! Take me higher!」の部分では曲に合わせて手を突き上げます。
この部分の酒井さんの声も最高。
この曲の間でバンドメンバーの紹介もありました。
さすが初期のゴスライブの起爆剤となった曲。今でも盛り上がります。
(恋物語の語り)
♪金色の翼
これまた意外な曲が。
出だしの北山さんの音が微妙にすっぽ抜け、普通より高い曲になったような気がしたのですが
そのまま歌い切りました。
酒井さんのベースが響いていて素敵です。
(恋物語の語り)
♪冬物語
CDよりも若干テンポのよい仕上がりになっていた気がします。
客席に向かってやさしく歌いかけている黒沢さんが印象的。
最後のサビ部分で、後方から桜の花びらが舞い落ちてきます。
それまで白かったステージ上には春色の照明が、白い幕に映えており、
一足先に春が訪れたような感がありました。
曲の最後には幕がまた開きました。
(恋物語の語り)
♪あたらしい世界
黒沢さんがワンコーラス目とツーコーラス目の歌詞を間違えてしまいました。
(何故に村上リード部分の歌詞と間違えるの??)
歌い始めて気付いたらしく、ソロ部分なのに、声がだんだんとフェードアウト。
正しい歌詞に戻れたときの、黒沢さんの安堵したような満面の笑みは忘れられません…。
#変なところばかり見て(聴いて)いてゴメンなさい、黒沢さん…。
これで終了。メンバーが手を振りながら退場していきます。
今のうちにと桜の花びらを拾い集めている人、アンコールの手拍子をする人、
いろいろです。
#さすがにこれは仕方ないですねー。
しばらくすると、再びメンバーが登場します。拍手喝采。
村上「えー、『冬物語』のときに桜の花びらが降ってきましたが。
上を向くとみんな口が開くのは何故なんでしょうね?」
会場笑。
花びらを舞わせるため、場内に風は送り込まれたのですが、髪を気にしている人も
結構居たとメンバーは言っていました。
村上「楽しんでいただいていますか?」
会場「いえーい!」
村上「さっき衣装がサックスブルーだと言いましたが、安岡の衣装なんかは
“ブルーグレイの永遠に終わらない世界”になっています(笑)」
と言ったものの、安岡さんが背中を見せると。
北山「あ、乾いたねー」
村上「乾いたか?」
「Higher」あたりでは安岡・酒井両氏の背中が大変なことになっていましたけどね。
村上「さっき黒沢が、ライトが当たったら衣装の色が薄く見えるって言ってましたけど、
僕らに照明当たってると、こっちからはお客さんの様子が暗くて見えにくくなるんですよ。
まあ、僕はいっつも暗いですけどね」(←ここ注目)
安岡「ああ、今はまだ会場明るいですけどね」(←意味わかっていない)
他のメンバーはわかったらしく、全員一斉にリーダーのサングラスを指します。
村上「いや、俺はさ、いつも(目の前が)暗いから(笑)」
それでようやくわかった安岡さん。
安岡「アンタって人は! いつも人を色眼鏡で見るんだからっっっ!」
メンバーも会場も大爆笑。
安岡「俺はいつもこうやって、その場その場で(ネタを)考えて言ってるんだよ!(笑)」
村上「その場で考えてるんだ(笑)」
安岡「そうだよ!(笑)」
だからあまりいじめないで、ということでしょうか?
さて、アンコールの曲です。
村上「これから、随分なつかしい曲を歌ってみようかと思います」
酒井「ヒント1! なつメロー!」
村上「前回歌ったのも、大分前ですね」
安岡「大分と言っても、リーダーがロン毛だったり、北山が眼鏡だったりした頃です」
酒井「ヒント2! 前に歌ったー!」
安岡「おっ、いいね(酒井を褒める)」
褒められて酒井さん、調子に乗り始めます。
村上「ていうか、今までライブで殆ど歌ってないよね」
酒井「ヒント3!レアー!」
安岡「おぉ! いいね(笑)」
北山「二文字にまとめた(笑)」
会場笑。
黒沢「少なくとも今年初めて歌いますね(笑) ナンバーワンだけどオンリーワン(笑)」
酒井「ヒント4!SM○Pの曲ー!」
黒沢「違うよっ!(笑)」
メンバーも会場も大爆笑。
酒井「今のは嘘ー!(笑)」
では、SM○Pの曲…じゃなく、レアな曲に行ってみましょう。
♪待ちきれない
な、なつかしすぎる…。
懐かしすぎて、リーダーの歌詞が曖昧だった気もするのですがご愛嬌。
この曲も、歌っているメンバーが本当に楽しそうでした。
♪Winter Cheers!
これまた懐かしい冬の曲二連発。
可愛らしい振りが付いていたりして盛り上がりました。
この曲が世に出た当初は、こんな大人数の観客と盛り上がれるとは想像できなかったろうな、
などと思ったりした、若者らしい曲でした。
最後に、メンバー一人一人からご挨拶。
北山「今年は自分に高い課題を与えています。
歌詞を飛ばさないようにとか(飛ばした人が後ろにいますよ、北山さん…)、
音を間違えないようにとか。
皆さんはどう評価してくれたでしょうか。
北山は今日、自分に辛うじて合格点を与えました。
これからも頑張りますのでよろしくお願いします」
安岡「今日のライブは懐かしい曲が多かったわけですが、僕の大好きな曲もあります。
その曲を出した当時は精一杯、いっぱいいっぱいで歌っていました。
今歌うと、ちょっと余裕が出てきたと言いますか。楽しんで歌えました。
好きな曲を楽しんで歌えるというのは幸せなことだなあと思いました」
酒井「僕はここに来る前に新宿のホテルに一人泊まってきました。
何にもしないでいようと思ったんですが、不意にあの曲のあのハモリは
どうだったかなあと気になり始めまして、ホテルのフロントでMDプレーヤーを
借りてきて、なるほど、『待ちきれない』はこんな風にハモってたんだなあ、などと
思いながら時間を過ごしました。
皆さんも、そうやってマニアックなハモリを聴かなくてもいいですが、これから
ホテルの部屋に帰ってテレビを見て寝るというような時間の過ごし方はしないように。
…あ、オリンピックやってんのか。ならいい!(笑)」
(この酒井さんの挨拶の後半で、リーダーと黒沢さんが後ろで何やら打ち合わせていました。
最後に黒沢さんが「俺?」と言っていたのがわかったのですが、何を話していたんでしょうね?)
黒沢「今回のライブをやるにあたり、昔の曲をいっぱい聴いたんですが。
あの頃は下手なんですけど、自分の思いを伝えようと一所懸命だったんだなあと
思いました。
今は今で、頑張っております。
エロくたっていいじゃないかー!(笑・会場大爆笑)
これからも、歌に! エロ…に邁進しちゃダメか(笑)
いろいろ頑張りたいと思いますのでよろしくお願いします」
酒井「いろいろって…(笑)」
村上「えー、長いこと休んでいたんで、いろんなことを忘れていまして。
最初の黒沢のエロさがよかったです」
黒沢「…よかったんですか(笑)」
村上「うん、あれで空気が解れたね。エロで」
黒沢「ていうか、あれ(※)は俺がやったんじゃないからね?」
村上「俺か?」
安岡「この際いいよ、どっちでも!」
会場爆笑。
※あれ…「実際の行動」の意。黒沢さんは再現しただけです。多分。
村上「えー、それで、ライブの空気感を掴みきれなくて、実は妙な緊張感の中で
ずっとやってました」
酒井「…そんなこと言わなくていいじゃないか!(笑)」
会場笑。
村上「いいんだよ、最後なんだから(笑)」
酒井「最初から言ってたらもっと問題じゃないか!(会場笑)
まあいい、続けてくれ(笑)」
村上「まあ、皆さんに乗せていただいて、最後まで歌うことができました。
本当に会場の皆さんのおかげです。ありがとうございました」
会場拍手。
村上「さっき安岡も言ってましたが、好きな歌を楽しんで歌えるっていうのは
幸せだと思います。
ライブの最初、安岡の語りから入りましたけど、最後も、な、安岡?」
安岡「はい。これが終わってからも皆さんいろいろとお楽しみがあると思うんですけど、
ホテルの部屋に帰る前にいい夜を、ということで、この曲で締めたいと思います」
♪Moon glows(on you)
途中のサビからバンド演奏が加わります。
めずらしい、この曲のバンドセッションバージョン。
最後の一曲なので皆さん気合が入っています。
気持ちよさそうに歌う安岡さん、楽しげなメンバーが印象的。
CD収録部分を終えたところでバンドメンバーが演奏を終え、スナップを打ちながら
ステージ中央に集まってきます。
#DJバリ“K”〜んさんだけスナップを打たず、のしのしと歩いてきたのでちょっと怖(略)
「Oh〜Oh〜♪」とゴスペラーズの歌は続いています。
それに乗せてリーダーがバンドメンバー、ゴスメンバーを一人ずつ紹介。
黒沢さんは紹介されたときに投げキッスをしていたのですが、何故かフツーに
スルーされていました。あせ。
歌を締め、終了。
会場からは拍手と大歓声が起きました。
「ありがとうございましたーーー!」
と発声したのは安岡さんでした。
これで全てが終了。全員ステージ袖へ。
退場直前、北山さんが投げキッスをしたのはいいのですが、コードか何かに引っかかって
転びそうになるハプニング。
リーダー、余程ツボだったのでしょう。
躓いた振りをしてから会場に投げキッス。場内からは黄色い声。
それを三回も繰り返し、ようやく退場していきました…。
余談。
翌日のライブでは新曲タイトルは発表されなかったそうです。ま、まさか??
そしてその日もリーダーは「躓いて投げキッス」をやっていたとか…。
どこまでも茶目っ気のあるメンバーたちでした。
Special thanks to しぃま☆さん、ちぃ猫さん、UGCの皆様
※順不同