〜ライブレポート〜
<FM802 SPECIAL REVUE for U> 2006年01月08日 大阪厚生年金会館
ゴスペラーズからは黒沢のみが参加した音楽イベント。
このイベントのプロデューサーである木村佳乃が恋人への思いを語り、それに引き続いて
アーティストたちのパフォーマンスが始まるという、イベントそのものが一つのラブストーリーの
ような不思議な雰囲気のステージでした。
出演者はソロステージ順に熊谷和徳、風味堂、押尾コータロー、中川晃教、矢野真紀、
黒沢薫、鈴木雅之。
音楽監修は「エンドロール」の編曲者でもある島健さんで、ピアノ演奏も担当。
ドラムやギター以外にバイオリン、ビオラ、チェロといった弦楽器も入るという
豪華なバンド演奏でした。
それぞれのアーティスト同士のセッションも多数散りばめられていたこのイベント。
ここでは黒沢さんの登場部分のみレポートさせていただきます。
大切に思うからこそ、互いに相手を失うことが怖い。
愛に変わっていく手前。恋に苦しむ、二人にとって最も重要な場面。
ここで暗転。ステージ上に二人の影が現れます。
♪Ribbon In The Sky featuring 押尾コータロー
CDでのピアノとのセッションではなく、押尾さんのギターとのセッション。
静かに、熱く歌い上げます。
見せ場の超ハイテナーの直前では、押尾さんのギターとの熱い絡みもありました。
もちろん超高音も楽々クリア。素晴らしい。
がっちり握手を交わし、押尾さん退場。
「改めましてこんばんは。黒沢薫です」
観客拍手。
「黒ぽーん!」という声もそこかしこから飛んでいました。
黒沢さんは黒いスーツに茶のシャツ、ネクタイをしていました。
アクセサリーはピアス、ピンバッジ、リング(左小指のものはツアーグッズか)、
ウォレットチェーンをつけ、ポケットチーフを入れていたようです。
#色彩は、照明の関係で正確でないかもしれません。
#アクセサリーは三階席から反射を頼りに判断したので微妙です。ご了承ください。
「えー、今日は『for U』ということで。
さっきからこのステージを会場の後ろの方から見ていたんですが、すごいですね。
何にびっくりしたかって、押尾コータローさんの声ね(笑・会場笑)
森本レオさんか?っていう(笑)」
押尾さんは語り口が落ち着いているのです。
「さっき(セッション時)もお聴かせしたかったんですが、(押尾さんが)マイクを
持っていなかったので残念でした。
だから僕が物真似で! …嘘です(笑)」
会場から笑いが漏れます。
「僕は普段はゴスペラーズというグループで活動しているんですが、
昨年の秋にソロデビューしまして。(会場拍手)
でも、ソロではこんなおっきなところでやったことがないので緊張しています(笑)
今日は何曲か歌わせていただきますのでよろしくお願いします」
会場からは拍手が起こりました。
「今、北の地方では雪で大変なことになっていますが、次に歌うのは雪ではなくて雨の曲です」
♪After The Rain
バイオリン等の弦楽器が入っているため、かなりゴージャスなアレンジでした。
やはり最後のサビに入る直前の「Fu-!」が切ない。
切ない歌声に切ないピアノ、切ない弦楽器が加わって、泣かせの一曲に仕上がっていました。
「“After The Rain”という歌を聴いていただきました。
男というのは、振られた子のことも振った子のことも覚えているものです。
時々思い出して、『あの子には幸せになってもらいたい』なんて勝手なことを思うものです。
そういう部分も含めて、可愛いものだと思っていただければと思います。
えー、しんみりした曲が続きましたので、次はさらにしんみりした曲を歌います!」
会場爆笑。
「すみませんね、盛り上がる曲がなくて(笑)」
なくはないのですが、今日はコーラスメンバーがいないので「Groovin'」等も歌いにくいのでしょうね。
「今から歌う歌は、ラブソングとしてももちろん素晴らしいんですが。
僕が今、ここに立っていられるのは、たくさんの素晴らしい出会いに恵まれたからだと思います。
そういう出会いとか、運命とかを歌ったものです。
聴いてください。『遠い約束』」
♪遠い約束
ハープこそないものの、弦楽器が入っていて素晴らしく広がりのある演奏。
黒沢さんがサビ部分で非常に気持ちよさそうに両手を広げて歌っていたことと、
一つ一つの言葉を丁寧に、語りかけるように歌っていたことが印象的でした。
頭を下げて黒沢さん退場。
あ、終わっちゃったのですね…。
しんみりした曲三連発のあとに、テンポよく登場したのはマーチンこと鈴木雅之さん。
「恋人」を熱唱します。
「こんばんは! ワタクシが鈴木雅之です!」
(長いのでMC割愛)
明日は成人の日、という話から、自分の成人の日の思い出話になります。
二十歳の記念撮影に仲間と写真館を訪れると、先に撮影に訪れていた女性のお父さんに
保護者と勘違いされて(本当らしい。鈴木雅之、当時20歳)話しかけられ、趣味の話題になって
「歌を歌っているんだが一人じゃ駄目。仲間と一緒じゃないとできないことなんだ」
と当時語ったという話から。
鈴木「ここで、(二人だから)ハーモニー…っていうほどでもないけど(笑)
一緒にハーモニーを奏でられる素晴らしいアーティストをご紹介しましょう。黒沢薫!」
会場拍手喝采。
黒沢さんの、サングラスをしての再登場にマーチンさんウケています。
鈴木「わかってるね、サングラス(笑)」
黒沢「ネクタイも外してきました(笑)」
そう、マーチンさんはネクタイをしないスタイルなのです。
鈴木「ワタクシ、今夜一夜限りのスペシャルユニットのために、ユニット名を考えてきました」
黒沢「何ですか(笑)」
鈴木「いろいろ考えたんですよ。『平成の狩人』とか…」
会場爆笑。
鈴木「で、二人に共通することは何か?と考えました。
これがないと始まらない!というものは…エナメルの靴です!」
二人、靴を見せます。たしかにエナメルの靴…。
鈴木「『エナメル・ブラザーズ』でございます!」
二人でぺこり。会場爆笑、拍手。
かくして史上最強?のユニット、エナメル・ブラザーズがここに誕生!
鈴木「エナメル・ブラザーズ、歌います!」
♪ロンリー・チャップリン Byエナメル・ブラザーズ
【試聴】 (duet with 鈴木聖美)
鈴木聖美さんのパートをエナメル弟(?)が担当。
ソウルのあふれる歌声を披露します。会場も大ノリ。
間奏部分で二人でステップを踏み始めたので、随分ノッているとは思ったのですが…
仕舞いに二人で手と手を合わせて歌い始めました。
そ、それ、女性とならば絵になるのでしょうけれど、サングラスの男同士…。
真面目に歌を聴いていた観客一同、一瞬の「!?」の後で大爆笑。
歌って踊れて笑いの取れる??エナメル・ブラザーズのパフォーマンスでした。
歌い終わって帰っていく黒沢さんを慌ててマーチンさんが呼び止めます。
黒沢「二人ともサングラスしてるから(笑)
僕、『帰ります』って目で合図したんですけど、僕もサングラスだから
わかんなかったですね(笑)」
鈴木「アイコンタクトな。わかんない(笑)」
それはたしかに無理かもしれません…。
マーチンさんがゴスペラーズとの関係を語り始めます。
仲間である佐藤善雄さんとゴスペラーズが出会った頃から、どこかで一緒にやることが
あるだろうと思っていた。
鈴木「共演するまでに10年ぐらいかかったよな?」
黒沢「(共演できたのは)去年、一昨年ぐらいですね。
前から、マーチンさんにはいつか曲を書かせてもらいたいと思ってたんですが、
僕らまだちっちゃかったんで。(言いながら鈴木の膝ぐらいの高さを指す)
もうちょっと(アーティストとして)おっきくなって、せめてこれ(胸)ぐらいに
なるまで頑張ろうと(笑) ようやく一緒にさせていただけるようになりました」
今、ソロでもいろいろやっているけれど、それぞれ吸収したものをグループに持ち帰って、
さらに頑張ってもらいたい。
そういうマーチンさんからのエールを受けて、今度こそ黒沢さんは退場していきました。
鈴木「一夜限りのスペシャル・ユニット『エナメル・ブラザーズ』でした!」
会場も拍手で送り出します。
鈴木「今は見えました。『帰ります』っていうのが(笑)」
この後、マーチンさんの「ガラス越しに消えた夏」「別れの街」で全曲終了。
最後に全アーティスト、全バンドメンバーがステージに上がって最後の挨拶をしました。
その間にもステージの隅の方で靴を見せているエナメル・ブラザーズ。
最後の最後、退場時には、黒沢さんはしっかり投げキッスをして帰っていきました…。
今回のイベントはこんな感じです。