〜ライブレポート〜








<ゴスペラーズ坂ツアー2005“G10”> 2005年04月25日 大阪城ホール





大まかな流れは紀南文化会館公演と変わりませんのでそちらを参照してください。



開演前インストゥールメンタル
 ミモザ―BOO―カレンダー―侍ゴスペラーズ―星屑の街―ひとり―永遠に―
  ―新大阪―誓い―Winter Cheers!―街角-on the corner-

「街角-on the corner-」が終わる頃には拍手が巻き起こり始めます。
暗いステージ上にバンドメンバーが上がる気配。
そして…
「何か求めて〜♪」
歌声はすれども姿は見えず。メンバーは一体?
「世界へーーー♪」
ステージ中央にライトが当たり、メンバーの姿が下からせり上がってきました。
G10大阪城ホール公演のスタートです。

♪終わらない世界
 バンド演奏及びダンスつき。
 普段のアカペラよりもポップな雰囲気で、一曲目からメンバーも会場も大ノリです。
 村上「大阪に帰ってきました!」 会場大歓声。
 メンバーがステージ上から見た、大規模会場の観客全員がやる「Fly to sky」は
 さぞや圧巻だったことでしょう。
♪砂時計
 切ない大人の音楽に。
 過去のライブではダンスが強調されていたりもしましたが、今回はダンスよりも
 歌で勝負に行った感がありました。
♪Get me on
 人気のナンバー。
 酒井さん以外のメンバーがヒューマン・ビート・ボックスを披露するシーンでは
 やはり大歓声が起きました。
 余韻を楽しむ間もなく、直後に次の曲に流れてしまったのがもったいないような気も。
♪愛の歌
 イントロで歓声が上がるあたり、どの曲も人気が高いのがわかります。
 「みんなの歌を聴かせてくれ…」とリーダーが言うと会場も大合唱。

会場はすでに熱気に包まれています。
安岡「こんばんは! 初めてやってきました大阪城ホール!」
ゴス「ゴスペラーズでぇす!」
会場からは大歓声が起きます。
村上「初めてライブにいらっしゃったという方も多いと思いますが」
安岡「大きいの二人と小さいの二人という感じですかね」
会場笑。(ごめんね)
やっぱり名前で覚えてもらわないとね、ということで自己紹介。
村上「俺は大丈夫だよ!(得意げ)
   TV Bros(テレビ雑誌)の“嫌いな眼鏡”第4位に選ばれました!村上です」
会場爆笑。
リーダー、会場をぐるりと見回してバックステージにもお辞儀をしていました。
酒井「今日は髷を結ってきました。(と髪を触る)
   これを目印にしてください。酒井です」
黒沢「えー、日活映画の脇役みたいだと、よく言われます。(会場笑)
   いちばん髪が短い黒沢です」
安岡「ライブが始まったばかりなのに、もうアンコールのように
   濡れている(会場笑)安岡です」
北山「さっき安岡が“大きいの二人、小さいの二人”と言いましたが、
   それを除ければ僕です。北山です」
すかさず酒井さん、「消去法で紹介するなよ!」とツッこんでいました。
安岡「うーん、でも声が低いのは見た目にならないしねえ」
北山「そうそう」

会場が盛り上がってきたところですが、ここでリーダーが切り出します。
村上「さて、皆さんもご存知のことと思いますが、今朝兵庫県で
   大きな列車事故がありました」
尼崎の踏み切りで電車が脱線、マンションに激突して大破し、
多くの死傷者を出す大惨事が起きたばかりでした。
村上「今、ここで、皆さんのお気持ちがいただければ…」
会場から賛同の拍手が起きます。
リーダーは続けます。
村上「亡くなられた方のご冥福をお祈りしたいと思います。
   黙祷」
数十秒間の沈黙。
村上「負傷された方の早い回復、そして亡くなられた方のご冥福を
   お祈りしたいと思います」
会場からは静かに拍手が起きました。
村上「そんな中でも、僕たちは自分たちにできることをしなければいけません」
安岡「盛り上がってくれますかー!」
会場「いえーい!」
そんなこんなでいつものゴスペラーズに。
大会場での公演ということで、衣装も派手に、金色のジャケットです。
実は彼ら、今までは大阪でも大阪城ホールのような大会場には
来ていなかったそうです。
村上「前は、えーと…どこだっけ?」
ゴス「…??」
黒沢「…ハートビート??」
村上「あ、ハートビート。(会場「ヒートビート!」) ヒートビートか!」
以前やった会場名(UMEDA HEAT BEAT)を間違えたようです。
酒井「そうだよ。
   てっちゃん、前もヒートビートのことをハートビートって言ったんだよ」
そうツッこまれるリーダーでした。
でも言いだしっぺは黒沢さんだったのですが。
村上「この前、そのヒートビートのときの台本みたいなのが出てきたのよ。
   読んだら、“南港の爽やかな風に”とか何とか書いてて(笑)」
安岡「そんなこと言ってたんだ?(笑)」
黒沢「覚えてないなあ〜」
メンバー全員、誰も覚えていない様子。
しまいに酒井さん、「後でそれ見せて?」と言っていました。

では、そろそろ次の曲へ…。

♪ひとり
 リーダーの高音がちょっと心配。
 ツアー疲れで喉の調子があまりよくない様子でしたが、そこは力で乗り切りました。
♪ミモザ
 緩やかなダンスが素敵です。
 リードの黒沢さんを中心に、それぞれが別々の詩、別々のフレーズを
 歌いこんでいるところを見ると、この曲はゴスペラーズにしか歌えないなと思えます。
 黒沢さんが見せ場で苦しそうにしていたのが心配でしたが、こちらも貫禄で乗り切りました。
 その気迫に、かなりぐっと来ました。
バンドメンバーの演奏をバックにリーダーが
「“ひとり”“ミモザ”と聴いていただきました。
 これから歌う歌は、僕が実際に見た切ない光景を書いた曲です。
 今回のツアーのために、あたらしく生まれ変わりました」
♪新大阪
 バンドアレンジ。まさにこの大阪の地で生まれた曲ですね。
 アカペラよりもぐっとソウルフルに、一段とカッコよく仕上がっていました。
 地元大阪民も感動の一曲?
♪街角-on the corner-
 やはりぐっとくるバラードです。
 CDで聴くのもいいけれど、生で聴くとさらに魅力のわかる一曲。
 先ほどは苦しそうだった黒沢さんでしたが、ここの見せ場はばっちり決まっていました。

「さて、今回の“G10ツアー”はベストアルバムのタイトルでもありますが、
 ゴスペラーズ10周年記念ツアーという意味合いもあります」
とリーダーが言うと、会場内に拍手が起きます。
「そうそう、ここで拍手ほしかったの」とリーダー笑。
拍手がほしいところというのがあるんだよ、という話をしていました。
調子に乗ったリーダー、わざと拍手を求めてトークを切ったりしていたものですから
観客が混乱し、その後のトークで、リーダーが話を一瞬止めただけでも
拍手が起こってしまう現象が。
村上「今のは別に拍手がほしかったわけじゃなかったんですが(笑)
   悪い悪い、無駄に溜めてしまった(笑)」
酒井「ステージ上で反省するなよ(笑)」
そんなこんなでこの10年、ベストアルバム「G10」には選ばれなかったけれど
重要な曲がたくさんありました。そんな曲を振り返ってみましょう。
題して「出逢った頃のように〜Road to“Soul Serenade”」。

♪U'll Be Mine (アルバム「The Gospellers」より)
 アコースティックもよいけれどオリジナルバージョンもよいですね。
 CDに収められている声と現在の声の間に、10年の重みが垣間見られます。
♪虹 (アルバム「二枚目」より)
 眼鏡くん登場! やはり大歓声。
 いちばん笑いを取っていたのは「オネエサンを困らせないの♪」でした。
 最後の黒沢さんは「しっかりしないと。長男なんだからな!」と頑固親父風。
♪JOIN 2 JOYS (アルバム「Mo' Beat」より)
 今のゴスペラーズにはあまりない感じの曲ですね。楽しい。
 観客も楽しげにノッていました。
 村上「さあ、次はどんな曲でしょう」
♪BOO〜おなかが空くほど笑ってみたい〜 (一瞬だけ)
 CDでは聴けない、安岡さんリードバージョン。
 ワンフレーズだけで終わってしまいましたがかなり貴重?
 村上「この曲はこれぐらいにしておいて…」
♪in the Soup (アルバム「Vol.4」より)
 最後の五人でのハモリが一段とさわやか。
♪I LOVE YOU,BABY (アルバム「FIVE KEYS」より)
 安岡さんのピンスポットが気持ちよさそう。
 是非全編通して聴いてみたい曲です。
♪夢の外 (アルバム「Soul Serenade」より)
 イントロが流れてきた瞬間に歓声。人気があります。
 CDでのラジオボイスのような部分は酒井さんがやっていました。
 歌もダンスもカッコよく、パーフェクト。
村上「なかなか思うようにいかなくて悩んだりもしたけれど、
   ヒットしてなくても、俺たち、いい曲いっぱいあったよな?」
会場から大歓声。
そんな中生まれた、彼らの運命を変えた一曲。
♪永遠に
 何を差し置いても外せない曲ですね。
 黒沢さんの声の調子がどうかと心配していましたが杞憂もいいところ。
 unplugged live versionサイズでないのがやはり少し残念でした。

さて、話題はここからアカペラツアーのことに。
96年の「アカペラ貴族」から始まり、「アカペラっぽいの好き」、
そして毎年のように開催されるようになりました。
最近のツアーでは…
 村上「やっぱ港町はいいなあ! なあ、黒沢!」
 黒沢「そうかあ? ただ寒いだけだけどな」
 村上「楽しめ黒沢!」
 酒井@船長「コングラチュレーショ〜ン! ようこそ私の船へ!
       バンバーン♪バンバーン♪(会場笑)
       ようこそ私の船へ! あなたは10億50兆人目のお客様ですよ〜」
安岡「…とまあ、端折って見ていただきました」
五人の歌うたいたちが訪れた寂れた町を舞台に、そこに住む人たちの夢を描いた
ストーリーでした。
その中にはこんなシーンも。

 酒井@捨吉「俺は行くぜ! 残るのは、ヘアウォッシュしか能のない四男坊じゃないのか!」
 村上@四郎「二郎兄!」
 (捨吉ご乱心)
 安岡@三郎「トラだ!捨吉がトラになったぞ!」
 黒沢@二郎「捨吉考え直せって!」
 北山@一郎「トラだ!トラを捕まえろ!」

 ♪Tiger Rag
  会場大喜び。手拍子を取っています。
  短かったのが本当に残念。
  ぐるぐると兄弟たち(というか二郎)を追い回した捨吉が二郎を追い詰め…

 捨吉は遂にナイフで二郎を刺し…
 捨吉「続きはDVDでご覧ください〜」 捨吉退場。
 「二郎兄!」「二郎!大丈夫か」 残された兄弟たちが歩み寄ります。
 二郎「今日は脇腹に当たったからホントに痛い…」
 会場大爆笑。兄弟も笑っています。(こらこら)
 二郎「い…いたい」
 一郎「うん、痛いよな(笑)」
 二郎「い、いたい…」
 三郎「何? い、いたい?」
 二郎「言…いたい」
 四郎「言いたい?」
 一郎「ああ、じゃあ言っていいよ」
 二郎「アカペラ港のDVDは…会場を出たところに置いているよ」
 兄弟「“置いている”??」
 二郎「さっき歌った歌のCDも…全部会場を出たところに置いているよ」
 三郎「…“置いている”って、放置されてるみたいですね?(笑)」
 一郎「勝手に取っちゃっていいんですか?(笑)」 会場爆笑。
 二郎「僕がプロデュースしたツアーグッズも…会場の外に置いているよ」
 そこまで言って二郎バッタリ。
 笑いながら兄弟がステージの中央に戻ってきます。(二郎ほったらかし)
 四郎「プロデュースって…自分の宣伝までしましたね(笑)」
 三郎「“置いている”って言い方が気になりましたけど(笑)」
 一郎「持って帰っちゃっていいんですかね?(笑)」
 そうこうしているうちに、何事もなかったかのように起き出す二郎。会場笑。

以上、床屋の兄弟たちのワンシーンでしたが、アカペラというのは
床屋で客に対して数人でハーモニーをつけて歌って聴かせたところが
始まりでした。
上記「アカペラ港」に登場した床屋の四兄弟は「アカペラ人」でも
登場しています。
#ちなみにそのときの四兄弟は大吉(北山)、中吉(黒沢)、小吉(安岡)、
#末吉(村上)でした。
「アカペラ人」には、現在テレビでも活躍中の人気役者、堺雅人さんが
出演していました。
北山「堺雅人くんが叫んでいましたね」

 酒井@堺雅人役「そして四兄弟は夜空に輝く星となった。
         空高く輝く天空の勝利者へ! ア、カペラ!」
 ゴス「ア、カペラ!」
 酒井「ア・カペラ! 皆さんもご一緒に!」
 会場「ア・カペラ!」
  注)「アカペラ人」では観客に叫ばせるシーンはありません。念のため。

村上「まあこんな感じでやってたわけですが」
安岡「堺雅人くんの笑顔もよかったけど、今の酒井雄二さんの笑顔もすごかったですよ?」
会場笑。
北山「はるか未来に、堺雅人くんが演じる考古学者が、
   我々扮する“アカペラの化石”を発掘し、傍に床屋の遺跡があったことから
   関連を調べていくというストーリーでした」
黒沢「…雰囲気だけは壮大ですね?」 会場笑。
「アカペラ人」のあとの公演は「アカペラ人」。
周囲に対して心を閉ざしてしまった直人少年(柏原直人)と、
ゴスペラーズ扮する落ちこぼれの天使たちの交流を描いたもの。
ここでお披露目された曲が「ひとり」。
安岡「そのときはまだ“ひとり”というタイトルじゃなかったんですよ」
村上「“恋するアカペラ人形”でした」
会場爆笑。
北山「確か、一つ前の“アカペラ人”で披露された“讃歌”も
   タイトルはついていなかったですよね?」
酒井「えー、そうです。“酒井曲(仮)って書かれていました。
   そーだよ!出来てなかったんだよ!」
逆ギレ酒井さんに会場は大爆笑でした。
次に発表されたのが、テレビでも放映された「アカペラ街」。
未来から来たというオジサン(中村まこと)が、自分は安岡の息子だと
言い張り、未来のゴスペラーズのブレイクを予言。
それを五人が信じて頑張れるか、というストーリー。
その主題歌として生まれたのが「星屑の街」でした。
そして「アカペラ門」のテーマソングが「One more day」。
場内暗転。
自分の世界に閉じこもった直人と、それを心配した兄(佐藤拓之)との
会話からエンディングへ――

 北山@兄「帰ろう。今夜は雪になりそうだ」
 安岡@直人「雪?」
 兄「空から降ってくる、小さな氷の粒だ」
 直人「氷の粒なら、溶けて消えるんでしょう?」
 兄「ああ。だが溶ける前に、世界を真っ白に染めるんだ」
 (黒沢、音叉を出して聴く)
 直人「それで世界は終わってしまうの?」
 兄「終わらない。その雪の間から、やがて小さな未来が芽を吹くんだ」

 ♪One more day
  CDでもよい曲ですが、こういう流れで聴かされるとさらにぐっときます。
  ツーコーラス目に入った頃、アリーナの天井から会場内に
  はらはらと雪が舞い降りてきます。
  幻想的な光景にうっとり。
  降って来た箇所のお客さんは、雪を掴むのに躍起になっていたりも
  しましたが…ま、いいでしょう。

♪月光
 「One more day」の雪は降り止みましたが、暗いステージ上に差し込む
 ライトが、幻想的な世界を演出します。
 北山さんの声の伸びが素敵でしたが、安岡さんの声の伸びが、輪をかけて
 素晴らしかった。
 北山さんが歌っている間も気持ちよさそうに両手を広げている安岡さんが
 印象的でした。
 泣かせの一曲。


頭を下げ、五人は退場。
バンドメンバーだけが残って演奏しています。
そしてそれが途切れると、聴き覚えのあるイントロが。


♪熱帯夜
 ショッキングピンクのスーツの着替えたメンバーが再登場。
 「Hey!」の部分ではステージから炎の塊が上がります。
 ジャケットプレイ部分ではやはり黄色い声が上がっておりました。
♪イントロ'96
♪靴は履いたまま
 DJバリ“K”〜んさん大活躍。
 観客もメンバーも、バンドメンバーも楽しそうに踊っています。
 途中、ステージの端のほうに二手に分かれて背中合わせで踊るメンバーたちが
 やたら楽しげに見えました。
♪シークレット
 お、今日はみんなダンスになっている(紀南文化会館公演参照)と
 思って見ていたら、最後のほうではバテてきた様子。
 やはりダンス2名、筋トレ1名、空手1名になっていました…。
 途中で詰まるリーダー、「どうしたんですか?」と歩み寄る安岡さん。
 そこから一気に曲チェンジ!
 村安「GOD BLESS YOU!」
♪GOD BLESS YOU
 黄色い歓声が上がります。
 メンバー五人+ギターの玉川さん、ベースの須藤さんが輪になって歩く、
 間奏部分のダンスが楽しい。
 だけどやはり三十路の(以下省略)
♪カレンダー
 アリーナに向けて銀テープが飛び出します。会場大歓声。
 北山・村上・黒沢が肩を組んで歌う部分がやはり楽しいのです。
 そして同じく熱いナンバーへ。
♪ウルフ
 これもメンバー楽しそう。
 ステージの端でバックステージの観客たちを煽っていた酒井さんが
 途中で袖に消えます。
 残ったのは後の四人と、バンドメンバーだけ。

村上「あれ?」
北山「1、2、3、4…(とメンバーの人数を数える)」
安岡「酒井さんがいません!」
と言いながら何故か敬礼。その傍で北山さんも一緒に敬礼。
「なんだそれは」と笑うリーダー。「ドリフのコントじゃないんだから(笑)」
酒井さんがいません。
そこで「思い当たる節がある」と言うリーダー。
村上「昨日、中洲でさあ」
安岡「ああ、福岡のね」
村上「そうだ、福岡だ。俺ら旅ガラスだからあっちこっち移動してるんだよな。
   いきなり“中洲”っつったってわかんないよな」
黒沢「また反省ですか(笑)」
村上「で、中洲で二人で飲みに行こうって言ってたら、酒井が言うわけよ。
   “俺、変わりたい”って…」
ゴス「変わりたい…?」
そのとき、ステージ上部からドライアイスの煙が上がります。
せり上がったステージには、白衣の怪しげな二人組と、白布をかぶった
謎の物体。
二人組が勢いよく白布を取ると、金色の男が登場!
イントロが流れ始め、ウワサのLOVE MACHINEさまのお出ましです。

♪LOVE MACHINE
 今回のLOVE MACHINEさまはボンベを背負い、ドライアイスを噴射しておりました。
 バックステージに向かって噴射したりするものだから、それまで背中ばかり
 見ていた観客も大喜び。
 「La〜LaLaLaLa〜♪」のあたりは会場全体がノッています。
 LOVE MACHINEさまは曲の最後、金色のバズーカ砲のようなものをぶっ放し、
 金テープをアリーナに降らせました。
 終わるとLOVE MACHINEさまはステージ後方に下がり、ドライアイスが
 噴射される中、ステージ下に退場。
 なのですが、横綱の土俵入りのようなポーズをしていたのでメンバーも
 バンドメンバーも大爆笑。
 中でもベースの須藤さんが大ウケしていました。

LOVE MACHINEさまが去って静けさを取り戻したステージ。
安岡「…何だったんでしょう」
北山「最後の格好が(笑)」
真似をするメンバーたち。会場笑。
村上「なんか、派手な落武者みたいだったね(笑)」
会場中、大爆笑の渦に包まれます。
村上「…でもまあ、そういうことだったんだろう」
会場、ステージ上のメンバー爆笑。
安岡「なんですか、それは(笑)」
村上「あれが酒井だったのかどうかはわかんないけど(会場笑)そういうことだったんだろう」
安岡「なんか、リーダーの中では一つ解決したってことですね?(笑)」
そこへステージ袖から酒井さんが走って戻ってきます。
村上「酒井!どこ行ってたんだ!」
酒井「後ろの方で、ちょっと休んでた」
そういう酒井さんはヘロヘロ状態。
村上「お前、さっきより髪が乱れてるぞ」
酒井「えっ?(笑)」
村上「大阪城公園の周りを走ってる外国人みたいになってるぞ」
酒井「えーと、体脂肪ヲ燃焼サセルノニ、45分ノ運動ガ必要デース!(笑)」
突然外国人風になった酒井さん。メンバーが面白がっていじり始めます。
安岡「さっきステージに変なのがいたんだよ」
酒井「ああそうですか。(メンバー、会場の視線が集まる) …私違イマース!(笑)」
村上「酒井、前のボタンがいつもより一個多く外れてるぞ」
酒井「あわわ」(慌てて留める)
村上「休んでたって言う割には疲れてない?(笑)」
酒井「体脂肪ヲ燃焼サセルニハ、45分間ノ有酸素運動ガ必要デース!」
安岡「髪の毛が風に吹かれたみたいになってますね(笑)」
酒井「今日ノ大阪地方ノオ天気ハ、風ノチ風デース!」
北山「あの(退場時の)ポーズは昨日から考えてたんですか?(笑)」
酒井「…(詰まる)…もういいだろう!(笑)」
さすがにいっぱいいっぱいの酒井さん。会場大爆笑。
黒沢「ごめんごめん、そんなにいっぱい言われても受け止めきれないよな(笑)」
笑顔でフォローするメンバーたちでした。

会場の通路には、「カレンダー」のときの銀テープやLOVE MACHINEさまがぶっ放した
金テープが落ちています。
村上「えーと、みんな持って帰ってくれるのかと思いきや、
   打ち捨てられたワカメみたいに落ちたままになってます(笑)
   あ、拾わなくていい拾わなくていい(笑)」
通路近くのお客さんが拾いに走っていたようです。
「ワカメって…」とメンバー笑。
村上「浜辺に打ち上げられた海草みたいにね。
   利尻昆布だといい値段するんだけど。って、何の話をしているんだか」
あのー、マニアックになっていて会場がついてこられていません…。
村上「微妙だ…」
酒井「アンタこれでステージで反省するの三回目だよ(笑)」

さて、懐かしい曲を続けてきましたが、ここに来るまでいろいろありました。
希望を持って船出したデビュー時。
それからなかなか芽が出ず、自分の道が本当に正しいのか迷ったこともありました。
しかし、今があるのは、そんな長い道のりがあったからこそ。
遠回りだと思えた、その一つ一つがどれも大切で、欠けてはならないものであったと
今になって思える。
そう語る五人に、会場は静まり返ります。
「今こうしていられるのは、デビューしたときに交わした、
 そして今この会場にいる一人一人と交わした、たった一つの約束を
 守ってきたからだと思います。
 ずっとこの五人で、この歌を歌い続けていくこと。“Promise”」

♪Promise-a cappella-
 黒沢さんの声が少しお疲れ気味でしたが、そんな中でも“約束”を
 歌い上げてくれました。
 この歌の持つ10年の重みが、彼らの歴史を何より雄弁に語ってくれます。
♪あたらしい世界
 とにかく美しい。
 リードボーカル二人の声が少々疲弊していましたが、上手くまとめた感じ。
 今回は歌詞は大丈夫でした。(紀南文化会館公演参照…) 
♪東京スヰート
 これまた美しい。そして後半熱い。
 CDサイズの長さが終了した後の村上・北山の掛け合いや
 「I Don't Wanna Sleep♪」というコーラスが心地よい。
 CDだけでは語り尽くせないゴスペラーズの音楽の魅力を見せてくれました。

ここで一度メンバー退場。
会場内は拍手鳴り止まず。
程なく、タオル片手にリーダーが飛び出してきます。
バックステージに向かって「続けていい?」と言ったところで目が合ったようで、
かなり狼狽気味にうなずくバックステージの女性客。
「ごめんごめん、この距離(かなり近い)で言われたら恥ずかしいよな」と
リーダー笑っていました。
村上「まだ行くか!」
会場「いえーい!」
村上「行っていいか!」
会場「いえーい!」
他のメンバーも登場。

♪FIVE KEYS
 村上「騒げよ大阪!」 会場「Fu♪Fu♪」
 やはりこの曲は盛り上がります。
 「手の鳴る方へ!」「1、2、3、4、5!」
 初めての人も多いかも?とメンバーが言った割には会場全体お祭り騒ぎ。 
 みんなちゃんとついてきています。
 大盛況の中、エンディングを迎えました。


メンバー、手を振って退場。北山さんの投げキッスがあったような?
会場はライトを落とされます。
もちろんこれで終わりませんよね?
観客はゴスペラーズの再登場を手を打って待ちます。
いつもよりも登場が遅いような…?
やがて、会場に聴きなれた歌声がアカペラで響きます。
ステージ上は闇。
しかしアリーナの中央部分からざわめきが。
一体何が?
すると、アリーナ中央、観客席の真ん中で不自然に囲われていた場所に
スポットライトが当たります。
あんなところにゴスペラーズが!?


♪星屑の街
 思いがけない場所からの登場に、微妙にパニックを起こしている
 観客も多数いました。
 #気持ちはわかりますが、絶対に座席は離れないでください。
 #混乱を招きますし、何より他の観客に【迷惑】です。
 ステージ上で円になり、向かい合って歌っていた五人でしたが、
 ツーコーラス目のサビ部分で後ろ(観客側)を向きます。会場パニック。
 #歌が聴こえないので黄色い声は多少我慢してください…。
 村上・黒沢の声は少しバテ気味でしたが、その分安岡さんの声が甘くて最高。
 歌い終わると手を振って、通路を歩いてステージに移動。観客再パニック。
 #メンバーを追いかけるのはやめましょう。
 #座席の周辺をうろうろされるとかなり【邪魔】です。
♪侍ゴスペラーズ
 原曲と同じ、アカペラとDJのコラボレーション。
 「皆様のゴスペラーズ!」で大喝采を浴びていました。
♪Atlas
 みんな高音が苦しそう。何とか勢いで切り抜けていました。
 他の部分はばっちり決まっていたので大丈夫です。
 これも10年間で培ってきた技でしょうか。

バンドメンバーのご紹介。
もうゴスペラーズライブでおなじみの顔ぶれなので、誰もがゴスメンバーの
負けないぐらいの黄色い声援を受けていました。
ベースの須藤さんを紹介したときに、横で北山さんがボーリングの真似。
#須藤さんはボーリングの達人だそうです。
続いて須藤さんもボーリング。…をして、「なんでやねん」というふうに
北山さんに片手ツッコミをしていました。
バリ“K”〜んさんはアフロ頭を客席に投げる真似。会場笑。
「ありがとうございましたー!」
アリーナ側、そしてバックステージにも頭を下げるゴスメンバー、バンドメンバーに
割れんばかりの拍手が送られます。
バックステージに頭を下げているとき、アリーナ側へのチャメでしょうか、
北山さんと須藤さんは二人揃ってお尻ペンペンをしていました。
バンドメンバー退場。
では、残ったゴスメンバーから最後のご挨拶を。

北山「会場が広くなって、正直なところ大変です。
   でも今日はお客さんに乗せられて“もう終わりなの?”というぐらい
   あっという間に時間が経ってしまいました。今日は楽しかったです」
安岡「僕たちが今こうしていられるのは、今まで応援してくださった方がいたからです。
   そんな一人ひとりの、一つ一つの拍手に感謝したいと思います」
酒井「初めての方もいらっしゃるのにこういうことを告白するのはどんなものかと思いますが、
   ワタクシ実は拍手喝采フェチです。(会場爆笑・拍手)
   いい拍手というのは、雨みたいな、いい音がするんですね。
   今日の拍手は最高でした!」(会場拍手・とってもいい音)
黒沢「昨日、村上と酒井と一緒にソウルイベントに行ってきました。
   そこで40代、50代の方が歌っていらっしゃるのを見て感動しまして。
   今声が出るのは当たり前だけど、僕らが45歳とかになったとき、もう一度
   こんな大きなステージに立てたらいいなと思います」
村上「黒沢は45歳といいましたが、52歳くらいでも立てるように頑張りたいと思います」
「(目標が)小さいよ!(笑)」「変わんないじゃないか!(笑)」
ゴスメンバーから総ツッコミ。
最後の最後までボケをかますリーダーでした。
では、ガツンとくる一曲で締めましょう。
ということで北山さんが音を取ります。
合わせはじめるメンバーたち。
酒井「N−−−♪ こんな音から始まる曲だ! 1、2、3!」

♪いろは
 特に酒井さんの気合が入っています。
 今までのバテも何のその、勢いも気迫も最高。
 「ABCDEFG!」
 終わった瞬間、拍手せずにはいられませんでした。

「GG!」
「GGG!」
「GGGG!」
【G10!】


場内スタンディングオベーション。
惜しみない拍手が彼らの上に降りそそぎます。
たっぷり三時間、ゴスペラーズの10年間の歴史と成長、未来の光を
見せ付けられたようなライブでした。